昨年末、JR各社から今年3月16日ダイヤ改正の概要が発表されました。中央線の特急は「スーパーあずさ」を廃止し「あずさ」に統合するとともに、「中央ライナー」および「青梅ライナー」の特急化が盛り込まれていました。
「あずさ」「かいじ」関連では以下のような感じに変更になります。
- 車両をE353系に統一。
- 自由席を廃止し全車指定席化。
- 特急料金の変更・通年同額化。
- 「えきねっと」チケットレスサービスの開始。
- 前日まで購入可能な「トクだ値」の割引率縮小(35%→10%)
- 13日前まで購入可能な「お先にトクだ値」の新設(割引率30%)
- 「あずさ回数券」「中央線料金回数券」「信州料金回数券」の廃止。
要するに3年前に常磐線特急でやったほぼ同じ事を中央線でもやるということです。個人的には「トクだ値」の改悪と「信州料金回数券」の廃止は痛いです。
ただ、この展開はE353系の普通車に乗ったことがある人にとっては想定できたんじゃないでしょうか?と言うのは、E353系の普通車の座席上の荷物棚には一昨年12月のデビュー当初から常磐線のE657系と同じような座席の予約状況を示すランプが取り付けられていて、「そのうち同じことやるんだろうな」と推測できる状況だったからです。
特急料金は以下のように改定となります。現行のB特急料金の適用区間は東京・千葉~竜王間ですが、この区分もおそらくなくなります。
~50Km | ~100Km | ~150Km | ~200Km | ~300Km | |
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現行A特急料金 | 750円 1,270円 |
1,180円 1,700円 |
1,830円 2,350円 |
2,160円 2,680円 |
2,380円 2,900円 |
現行B特急料金 | 510円 1,030円 |
930円 1,450円 |
1,340円 1,860円 |
- | - |
3月16日以降の 特急料金(事前指定) |
750円 | 1,000円 | 1,550円 | 2,200円 | 2,760円 |
(現行特急料金の青字は自由席、赤字は通常期指定席)
こうして見てみると、自由席との比較では据え置きか値上がりですが、指定席については全ての価格帯で値下げになっています。自由席を短区間利用している人にとっては痛い値上げだと思います。逆に私個人的によく利用する100Km~200Kmの指定席ではかなり安くなっています。
この特急券は150Kmまでの区間の指定席の特急券です。この時は「『トクだ値』使わずに普通に買ったら結構高いもんだなぁ.」..と感じていましたが、これが3割以上安くなって1,550円になるとむしろ割安感すら出ます。
また、全車指定席化によりこのような自由席特急券の発売がなくなります。現在は車内でも自由席特急券を発売していますが、ダイヤ改正後は車内料金が上乗せされた座席未指定券が発売されることになると思われます。
JRにとっては自由席をなくして全車指定席化することによって、客単価を上げられ、車内改札に乗務する車掌の人数も減らせるので、まさに一石二鳥の施策と言えます。もっとも、中央線特急は高速バスと激しく競合しており、「新型車両を投入したので値上げします!ヨロシク!」というこれまでの手法が通用するかは蓋を開けてみないと分からないところではあります。
ただ、今のところは料金や全車指定席化の不満よりも、数分の所要時間短縮のため「あずさ」の停車駅をバッサリ切ったことによる不満のほうが大きいようで、先日も長野県の沿線自治体がJR東日本長野支社に対しダイヤ改正の中止を申し入れる事態になっています。