JR九州は昨年5月末で「4枚きっぷ」の発売を終了しました。「4枚きっぷ」は割引率が高く、移動の需要の多い都市間に設定されていました。20年近く続いたロングセラーを廃止したのは金券ショップでのバラ売り対策、ネット予約への移行の促進、割引率は落ちるものの「2枚きっぷ」でも代用が効き影響が軽微だったことが考えられます。
「4枚きっぷ」の発売終了と入れ替わるようにして、6/1~7/31利用分でネット予約を利用したことのない人や1年以上利用のない人向けに乗車7日前~前日まで購入可能な「初回購入限定!お試しネットきっぷ」を発売しました。
ネット予約の利用がない人を対象に絞って、今後の利用促進を目的として割引きっぷを設定するというのは他社では聞いたことがなく、目新しい挑戦だと感じました。
6/1~7/31に利用分で設定があったのは以下の4区間でした。
お試し ネットきっぷ |
ネット早特3 | 4枚きっぷ (1枚あたり) |
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博多~長崎 | 2,200円 | 2,500円 | 2,750円 |
博多~佐世保 | 1,800円 | 2,000円 | 2,210円 |
博多~別府・大分 | 2,200円 | 2,500円 | 2,750円 |
小倉~別府・大分 | 2,100円 | 2,450円 | 2,520円 |
いずれも「4枚きっぷ」より安いのはもちろんのこと、3日前まで購入が必要な「ネット早特3」よりも1割以上安いです。ネット予約利用への「撒き餌」としては絶妙な価格設定です。
設定期間中に大分へ行く用事があったのと、嫁のネット予約のアカウントが3年近く休止状態だったので、「お試しネットきっぷ」を利用してきました。利用できるのは期間中1回限りなので、往復の利用はできません。また、一度購入したら変更もできず、乗り遅れ時の救済もありませんでした。
きっぷはこのようなものでした。現行の「ネット早特7」と同じように、企画券の本体と指のみ券がセットになっています。さりげなく迂回「ゆふいんの森」に乗っています。
ちょっと気になったのはネット予約で安さのアピールするのも結構ですが、購入後の変更を不可としたのはマズいような気がしました。このきっぷの対象ユーザーはネット予約に縁遠い人です。そういう人がこのきっぷを買った後に予約の変更をしようとして、変更ができず払戻手数料を取られたり、乗り遅れ時の救済もないとなると、懲りて逆にネット予約から遠ざかってしまう気がします。せめて「九州ネットきっぷ」への変更ぐらいはできるようにしておくべきでした。
ちなみに「初回購入限定!お試しネットきっぷ」は今年1/15〜2/28乗車分で再発売しています。購入できる対象者の条件は前回と同じなので、前回購入してしまった人は今回は対象外です。また、設定区間が九州新幹線の博多〜熊本・鹿児島中央間の2区間だけになり、在来線特急の設定はなくなりました。