AIRDOは昨年12月に就航20周年を迎えました。AIRDOは当初は「北海道国際航空」の名前で、道内資本を中心に会社を立ち上げましたが、大手社との仁義なき運賃競争に敗れ、平成14年に一度経営破たんしています。
破綻後ANA傘下に入り、羽田~新千歳間の全便をANAと共同運航(コードシェア)にして搭乗率を上げることで息を吹き返しています。コードシェアとはAIRDO便の一部座席をANA便扱いにしてANAに売り捌いてもらうイメージです。
最近ではANAが撤退した道内発着路線を引き継いで規模を拡大しています。社名は平成24年に現在のAIRDOとなっています。そんな紆余曲折を経て就航20周年を迎えました。
JR北海道では昨年11月~今年3月末出発分で、AIRDOで北海道へ来る観光客向けに4日間有効で特急列車自由席が利用できる「AIRDO20周年きた北海道フリーきっぷ」と「AIRDO20周年ひがし北海道フリーきっぷ」を発売しています。
いずれも購入する際は搭乗時に貰えるピンクの「ご搭乗案内」が必要です。空港最寄の駅で搭乗当日もしくは翌日開始のフリーきっぷが購入できます。飛行機の運賃の種類に縛りはありません。
このADO35便はANAとコードシェアしていてANA4735便でもあったんですが、きっぷの購入にはADO35便の「ご搭乗案内」が必要です。運航はAIRDOであっても、ANA便の「ご搭乗案内」では購入できないので注意が必要です。
このきっぷには特徴的な特典が2つありました。一つは旭川空港と旭川市内を結ぶ空港連絡バスの運賃が620円から520円に割引になりました。空港からの往路についてはJR北海道ホームページにある割引券を印刷してバス運転手に渡します。空港への復路については降車時に運転手にフリーきっぷ本券を呈示すればOKです。ちなみに「ひがし」では帯広空港・釧路空港も割引対象になります。
もう一つは「きた」「ひがし」共通の特典として、旭山動物園の入園券と旭川駅~旭山動物園間の往復バス券がセットになっています。 旭山動物園に行くつもりがなければ無用の長物ですが、入園券820円+往復バス880円=1,700円分の特典と考えると利用の検討も一考です。
私自身は計画段階では旭山動物園に行くつもりは全然なかったんですが、最終日の朝に旭川から留萌線を乗り鉄する予定だったのに寝坊したので、溢れる中国人観光客に紛れ込んで行ってきました。およそ十数年ぶりの訪問でしたが、真冬のペンギンの散歩が見られてよかったです。
私が利用した「きた」は12,500円で、25歳以下の大人については10,000円です。「きた」の利用対象となる新千歳へは羽田・仙台・中部・神戸から、旭川へは羽田から就航しています。
フリーエリアは以下のとおりです。
- 函館線:小樽~札幌~旭川
- 千歳線:新千歳空港~白石
- 室蘭線:追分~岩見沢
- 石勝線:南千歳~追分
- 根室線:滝川~富良野
- 留萌線:深川~留萌(全線)
- 富良野線:旭川~富良野(全線)
- 宗谷線:旭川~稚内(全線)
「きた」と言うだけあって道北が含まれるのが特徴ですが、観光地として人気の高い小樽や富良野もちゃんとフリーエリアに含まれています。
フリーきっぷとしては道北まで行ってナンボだと思います。しかしながら、道北へ行く特急「宗谷」「サロベツ」は指定席3両に自由席1両が標準なので、自由席しか使えないのはちょっと厳しいと感じました。「指定料金券」の追加購入で指定席が利用できればよかったんですが…。
JR北海道は今回初めてAIRDOとのタイアップキャンペーンを行いました。現状、新函館北斗までしか通じていない北海道新幹線だけでは誘客できる人数は知れているので、今後は航空会社とは商売敵として対峙するのではなく、道外から観光客を運んできてくれるパートナーとして連携し、誘客を図っていくべきだと思います。またこういう企画きっぷも出して欲しいところです。
【余談:2019/4/20】
このきっぷを買った対象者向けにAIRDOとJR北海道のタイアップキャンペーンがやっていて、何の気なしに応募したところ、A賞が当たってしまいました。ありがたくいただきます。