E653系おかえり号
種別:快速
区間:水戸~いわき
E653系は485系置き換えの車両として平成9年にJR東日本勝田電車区(当時)に配属されました。基本編成の7両×8本、付属編成の4両×4本が製造され特急「フレッシュひたち」として運用されていました。
平成24年3月のダイヤ改正で常磐線特急をいわきで分離し、いわき~仙台間の新設特急に転用される予定でしたが、平成23年3月の東日本大震災で常磐線が被災し、復旧のめどが立たなくなったため、転用計画自体が中止されました。
E657系の投入に伴い、平成25年秋よりE653系は順次新潟車両センターへ転出し、一度は勝田から姿を消しました。ところが、どういうわけか新潟へ転出したE653系のうち7両編成1本が、今年2月に勝田へ戻ることになりました。
その勝田復帰第一弾として設定されたのが快速「E653系おかえり号」です。2月2日に水戸~いわき間の往復で運転されました。JR東日本水戸支社のHPにこっそり掲載された割には指定席は即日完売したようです。私は完全に出遅れたクチでしたが、通路側ながら前日に空席を拾うことができました。
新潟に転じた7両編成のE653系は特急「いなほ」で使用されていました。「フルーツ牛乳」とも言われた黄色とオレンジの「いなほ」専用の塗色でしたが、勝田に復帰するにあたって国鉄色(?)に塗り替えられました。
この色については賛否両論あるようです。私の第一印象は「やっぱりヘン」でした。個人的な主観ですが、平成生まれのスマートな曲線の電車に国鉄色は合わない感じがしました。むしろ「フレッシュひたち」時代の塗色のどれかでよかったように思います。
また、「フレッシュひたち」時代にヘッドライト上部にあり新潟転出時に消された”Hitachi Express"のロゴは復活していませんでした。普通車の内装はまんま「フレッシュひたち」でした。常磐線時代はグリーン車がなかったので、そちらの方が目新しいと思います。
この手のヲタ列車にしては乗車率が良かったです。当日の水戸駅には地元テレビ局や新聞社の取材クルーも来ていて、地元でのなじみの深い車両の出戻りということもあり茨城での注目度の高さを感じました。
いわき駅ではグッズや記念弁当の販売を行っていましたが、全部スルーして復路には乗車せず撮るほうに注力しました。
その後、国鉄色E653系は水戸支社管内の団体列車や臨時列車として活躍しています。むしろ、波動用として勝田に配置されている651系の動向が気になります。先は長くないと思いますが、来年春に予定される常磐線全線再開までは生き延びて、上野から仙台まで走って欲しいものです。