過渡期のあずさ回数券
「あずさ回数券」は特急「スーパーあずさ」「あずさ」「かいじ」の指定席が利用できる回数券です。 中央線特急の特急料金制度変更に伴って、今年3月15日で発売・利用ともに終了しました。
このような企画回数券が発売終了する際は列車や路線の廃止に絡むものでない限り、発売終了前に購入したものが券面の有効期限までは利用できる場合がほとんどですが、「あずさ回数券」については3月16日以降は利用もできなくなりました。残余券片は無手数料で払い戻ししています。
もともと指定席が利用できるタイプの回数券だったので、無理に利用終了にしないでもいいのにと思っていたんですが、新旧指定席と料金比較をしてみるとその意図が見えてきました。
旧料金正規 | 新料金正規 | あずさ回数券 | |
---|---|---|---|
新宿(山手線内)~甲府 | 4,130円 | 3,820円 | 2,880円 |
新宿(都区内)~上諏訪 | 6,350円 | 5,870円 | 4,320円 |
新宿(都区内)~岡谷 | 6,570円 | 6,170円 | 4,370円 |
新宿(都区内)~松本 | 6,900円 | 6,500円 | 4,630円 |
新宿(都区内)~信濃大町 | 7,650円 | 7,250円 | 5,450円 |
旧料金は通常期指定席のもので、「あずさ回数券」は1枚あたりの価格です。新旧の比較では指定席特急料金の値下げで新料金の方が少し安くなっていますが、「あずさ回数券」はその新料金よりさらに940円~1,870円安いです。強引な手法を採ってでも割安な「あずさ回数券」を早く排除したかったんじゃないかと思います。
有効期限が3月16日以降の「あずさ回数券」については、表紙券と回数券券片に3月16日以降は利用できず、残余券片は払い戻しをするという注意書きが入りました。
表紙の最下段には「本商品は表示の有効期間に関わらず、3/16以降利用できません」という注意書きがありますが、払い戻しの扱いについては何も記載がなく、3月16日以降どういう取り扱いになるのか分かりません。
回数券の券片には「3/16以降有効期間内1枚あたりの発売額を払戻します」、「表示の有効期間に関わらず、3/16以降利用不可」という2つの注意書きがあります。最初の注意書きに「有効期間内」とあるとおり、この回数券の場合は6月11日までに払い戻す必要があります。
通常版の「あずさ回数券」と比較してみます。太字の「指定席券売機等で座席指定(N'EX除く)を受けてください。」の部分を細字にして、何とか注意書きを2つねじ込んだ感じです。
同じ「あずさ回数券」でも発行替えで指定を付けたものについては、「表示の有効期間に関わらず、3/16以降利用不可」だけ印字されています。スペースの都合もあるんでしょうけど、乗る前提で指定を取っているので、払い戻し云々の情報は要らないという判断なんでしょう。
この印字の変化を見たいがために初めて「あずさ回数券」を1冊買いました。普段だったら3ヶ月で6枚も使い切れませんが、今回は3月15日までに頑張って3枚使い、残りの3枚を払い戻して4,630円×3枚分の13,890円が戻ってきました。払い戻し時のクレジットカード利用控には払い戻しが3枚・13,890円で無手数料の旨が記載されています。