一つ前の「夕張支線最終日」の記事は書きかけだったものを間違ってアップしてしまいました。この記事で仕切り直しです。
3月30日と31日は全ての列車が3両編成で運転されていました。この2日間は札幌車掌所の車掌が乗務し乗車券の発売をしていました。
車発機のレシート券なのでありがちなきっぷと言ってしまえばそれまでですが、廃止区間で9272Dという臨時列車っぽい列車番号が入っているのが見どころです。
また、夕張市のご当地入場券は夕張駅前のホテルマウントレースイにて夕張駅のものを発売していました。
このように清水沢~鹿ノ谷間を走っている夕張支線の列車がデザインされています。廃線によって、夕張駅も列車が走っている区間もなくなってしまいますから、3月31日でこのデザインのご当地入場券は発売終了しました。
4月1日からは新夕張駅のものとなり、新夕張駅近くの夕張川の橋梁を走行する「スーパーおおぞら」のデザインとなりました。
ホテルマウントレースイでは夕張駅に変わって新夕張駅のご当地入場券を発売するとともに、新たに新夕張駅でも発売が始まりました。
こうしてわざわざ両方の発売箇所のご当地入場券を載せているんですが、違いが分かるでしょうか?発行箇所のところに注目です。こういう細かなところまで気になって両方とも集めないと気が済まなくなると、きっぷヲタとしては末期です。
なお、ご当地入場券は今年9月末ですべての発売箇所で発売を終了したので、新夕張駅のご当地入場券は半年しか流通しませんでした。
廃線から2ヶ月経った5月下旬に釧路から新千歳空港へ移動する途中に夕張市を再訪し、南清水沢駅付近を少し見て回りました。
線路内に進入できないよう柵が立てられ、踏切は残らず撤去されていました。道路と交差する部分の線路は剥がされてアスファルトで舗装され、残された線路は茶色く錆びていました。私が訪れた直後に本格的に線路の撤去作業が始まったと聞いています。
南清水沢駅は看板は外されていたものの、建物はそのまま残っていました。中は施錠され駅名板やベンチ、ゴミ箱などの駅の備品が放置されていました。
夕張市は南清水沢地区に公民館や多目的ホールが入居し、夕張支線代替バスと都市間バスの結節点としても利用する拠点複合施設を建設する予定で、夕張支線の廃線にあたってJR北海道がその建設用地の一部を譲渡することで合意しています。そうすると、この駅舎も近いうちに取り壊される可能性が高いと思います。
炭鉱という基幹産業を失って人口が減って街の活気が失われ、そこで一発逆転を狙って無理な投資をし、それが盛大にコケて財政再建団体に転落し現在に至るという夕張市の様は、何十年か先の日本の未来を示唆しているように思えています。前市長の言う「攻めの廃線」をきっかけに夕張市がどのように街を再構築し、再生の道を進んでいくのか今後も見守っていきたいと思っています。