昨年10月の台風19号で千曲川が決壊し、長野県の北信・東信地域に大きな被害をもたらしました。
鉄道関係では長野新幹線車両センターが浸水したのを始め、鉄道と立体交差する道路橋が崩落した影響でしなの鉄道・上田~田中間は1ヶ月間運休しました。また、上田電鉄では千曲川の増水によって護岸が削られ、上田~城下間にかかる千曲川橋梁が崩落しました。現在は同区間のバス代行を行っており、来年春の再開に向けて工事が進められています。
JR東日本では台風19号の被災地の復興支援にあたるボランティアを対象に、11月15日~12月15日の1ヶ月間限定で被災地からの帰路の新幹線が割安でできる「あさま自由席片道きっぷ」を発売しました。その名のとおり北陸新幹線「あさま」の自由席限定で長野~東京(都区内)間が通常7,810円のところ、半額の3,900円で発売されました。長野発の片発売で東京発の設定はありませんでした。
ちなみに平成23(2011)年の東日本大震災の時にも復興支援に従事する人向けに「やまびこ自由席片道きっぷ」という同様のきっぷを発売していました。
今回の「あさま自由席片道きっぷ」についても、購入にあたって実際にボランティア活動に従事していたかは確認されませんでした。むしろ発売箇所が指定席券売機に限定されていたので、確認のしようがなかったと思います。
私が利用した現物です。乗車区間の下に[ボランティア活動応援]とわざわざ印字されています。少なくとも長野地区で私が見た限りではこのきっぷの存在を知らせるポスターの類は一切なく、「積極的に周知はしませんが、知ってる人は使ってください」という感じでした。
発売箇所が「長野エリアの主な駅の指定席券売機」とあいまいに記載されていたので、とりあえず長野駅で先に購入し、上田駅から乗車し東京まで利用しています。内方乗車については問題ありませんでした。上田~東京間でも正規運賃+自由席特急券で6,260円するので十分安くなっています。
プレスリリースにわざわざ記載されていませんでしたが、これはCSR活動(企業活動を通じた社会貢献)の一環なんでしょう。他の企業にもこういった活動がもっと広がるといいと思います。