特急「かいじ」は昭和63(1988)年の登場以来なぜか号数が100番台でした。理由は定かではありませんが、おそらく「あずさ」が1番台から始まっていたので、それと区別するためにそうしたんだと思います。
昨年3月のダイヤ改正までは「かいじ」は101号から始まっていて、定期列車は12往復運転されていたので、101号から124号までありました。臨時列車については170~190番台が設定されていました。
昨年3月のダイヤ改正以降は「かいじ」の号数も「あずさ」と同じく1号から始まるようになり、1号から24号になりました。長らく「かいじ」の号数は3桁だったので、数字の小さい「かいじ」は新鮮に映りました。
来たる今年3月14日のダイヤ改正ではこれまで区別していた「かいじ」と「あずさ」の号数が統合され、新宿駅を発着する順に通しで設定されます。具体的には以下のようになります。
【下り列車】
新宿駅 発車時刻 |
新ダイヤ | 現行ダイヤ |
---|---|---|
7:00 | あずさ1号 | あずさ1号 |
7:30 | あずさ3号・富士回遊3号 | あずさ3号 |
8:00 | あずさ5号 | あずさ5号 |
8:30 | かいじ7号・富士回遊7号 | かいじ1号・富士回遊1号 |
9:00 | あずさ9号 | あずさ7号 |
9:30 | かいじ11号・富士回遊11号 | かいじ3号・富士回遊3号 |
朝一番の「かいじ」は1号から7号になります。「かいじ」「あずさ」の区別なく、とにかく号数が小さいものが早いということが一目で分かりやすくなると思います。
こういう風に変えた理由としては分かりやすくすることに加えて、特急「富士回遊」の増発が絡んでいると思います。今回のダイヤ改正から「富士回遊」は2往復から3往復に増発され、初めて「あずさ」と併結される列車が設定されます(3号と44号)。
「富士回遊」の号数は併結相手の列車の号数に合わせています。この前提を変えず号数も統合せずに7:30発の「あずさ3号」に「富士回遊」を併結させてしまうと、「富士回遊3号」の後に「富士回遊1号」が走ったり、時刻の異なる「富士回遊3号」が2本登場したりしておかしなことになります。だから、「あずさ」とも「富士回遊」を併結する前提で、「かいじ」と「あずさ」の号数の統合を実施するんだと思います。
【上り列車】
新宿駅 到着時刻 |
始発 | |
---|---|---|
かいじ2号 | 9:04 | 竜王 |
あずさ4号(東京行) | 9:12 | 松本 |
あずさ6号 | 9:26 | 松本 |
かいじ8号(東京行) | 9:54 | 竜王 |
一方、上り列車はこのようになります。号数統合の影で「あずさ2号」がなくなります。「あずさ4号」の松本駅発車を繰り上げれば「かいじ2号」より新宿駅に先着することは可能ですが、ただでさえ乱れがちな中央線の朝ラッシュにさらに波乱要素の特急列車を突っ込むのは現実的ではありません。それに「かいじ2号」は「あずさ4号」の直前に露払いとして走らせることで、「あずさ4号」の混雑集中緩和という役目もあるかと思います。
新宿を発車する「8時ちょうどのあずさ2号」がなくなった時点であの歌詞の世界の「あずさ2号」は消滅したも同然でしたが、これで名実ともに姿を消すことになります。