伊豆クレイル
◆種別:快速
◆区間:小田原~伊豆急下田
快速「伊豆クレイル」は余剰となっていた651系の付属編成を改造したリゾート列車です。2016(平成28)年7月から土休日を中心に小田原~伊豆急下田間で運転開始しました。
「伊豆クレイル」は「伊豆の景色を眺めながら『食』と『お酒』、『会話』を楽しむリゾート列車」と謳われており、最初から女性のグループ客を強く意識したコンセプトになっています。そのため、外観もピンクっぽいシルバーで女性的な雰囲気になっています。
また、「伊豆クレイル」の運転に合わせて停車駅の駅名板も伊豆クレイル仕様に変えられていて、妙なところに気合を感じます。
全車グリーン席化され、1・3号車は旅行商品のみで発売する食事スペースで、1号車はテーブル席で3号車はセミコンパートメントです。2号車は売店とイベントスペースで座席の発売はなく、4号車はみどりの窓口で発売する食事なしの座席です。651系のグリーン車と言えば2-1列席ですが、この列車は2-2列席でかつての普通車と同じです。
運転当初は号数がなく上のきっぷのように単に「伊豆クレイル」だったのが、2017(平成29)年10月以降の運転からは下のきっぷのように下りに1号上りに2号という号数が付いています。
食事付の旅行商品の利用は1回だけでしたが、4号車は何回か利用しています。4号車の座席はともかく、レストラン席はいつもほぼ埋まっているように見えたので、「伊豆の景色を眺めながら『食』と『お酒』、『会話』を楽しむリゾート列車」というコンセプトが浸透し利用状況は好調に見えました。
しかし、今年2月になって「伊豆クレイル」は6月末で運転終了することが発表されました。そろそろテコ入れのリニューアルぐらいはあるかと思っていましたが、運転終了してしまうとは残念でびっくりでした。小田原駅には乗客専用のラウンジまで造ってしまったのに...。
臨時列車としての運転は一昨日3月29日で終了しています。あとは4月と6月に団体列車として運転される予定です。その後の車両の去就は明らかになっていませんが、この編成は1990(平成2)年の製造から30年も走った経年車両なので、再度どこかに転用するとは考えにくく、廃車にするんだと思います。改造から丸4年も経たず引退なんて、改造する種車の選定から間違っていたような気がします。
もし、解体するぐらいなら1・3号車は大宮の鉄道博物館の食事スペースに転用したらどうですかね?既にテーブルや個室があって、家族連れが食事をするにはこれ以上ないぐらい適任だと思っています。
【補足:2020/6/10】
新型コロナウィルスの影響で4月と6月に予定されていた団体列車の運転は中止されました。このまま3月29日で営業運転終了となってしまうのか気になるところです。