続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ。そろそろ15周年。

阿佐海岸鉄道→JR連絡硬券

 今年の正月に久々に阿佐海岸鉄道に乗ってきました。直近で訪れたのは6年前に宍喰駅の券売機がなくなる直前のことでした。

 今回は正月で「青春18きっぷ」が使える期間だったので、ソコソコ客はいました。と言っても一列車で旅行客っぽい人が7~8人程度いたぐらいで、地元っぽい人はほとんどいませんでした。最初の記事で書いたように単独の鉄道会社として存続できているのが不思議である状況は変わりません。

 宍喰駅の券売機が撤去されたのは消費税が5%→8%に上がった2014(平成26)年3月末で、それ以降は硬券に変わりました。昨年10月に8%→10%に上がったタイミングでも硬券が残りましたが、口座数は減った模様です。

f:id:imadegawa075:20200407195448j:plain

f:id:imadegawa075:20200407195501j:plain

 実使用分も含め収集対象であるJR連絡の硬券を何枚か買ってきました。A型硬券できっぷの様式としては特に違和感はないですが、大人と小児で地紋の色が異なる珍しい券です。表面がツルツルしているので日付印の乾燥には気を付けた方がいいです。

 私が買った当時ではいずれも金額式で、大人が420円(阿波海南)・510円(牟岐)・810円(日和佐)・1,360円(阿南)・1,720円(南小松島)・1,910円(徳島)の6口座、小児が210円(阿波海南)・260円(牟岐)・960円(徳島)の3口座あるそうです。たぶん阿波海南までは記念用途なんだと思います。

 それ以外の連絡運輸範囲内の区間は特別補充券(特補)となります。


 実は今年から来年にかけては阿佐海岸鉄道にとって大きな動きがあります。今年度末をめどに気動車の運行をやめ、DMVに移行します。

 DMVとは"Dual Mode Vehicle"の略で、線路と道路をモードチェンジすることによって両方走ることのできる車のことです。2004(平成16)年にJR北海道がローカル線における列車代替の交通手段として開発し、有料の試乗会まで行って実用化寸前までこぎ着けましたが、昨今の経営難を理由に導入を断念しました。もう13年も前ですが、試乗会に行っていますので、どんなものか興味がある方は以下を参照してください。

 2016(平成28)年に阿佐海岸鉄道の筆頭株主である徳島県がDMV導入を決め、昨年までに3台の車両が完成しています。JR北海道が実用化目前のところで夢破れたDMVが遠く徳島(と高知)の阿佐海岸鉄道で実現するというなんとも興味深い話です。

 阿佐海岸鉄道とJRの接続駅である海部駅は高架上にあるため、DMVのモードチェンジを行うことはできません。そのため、今年の夏に阿波海南~海部間をJR四国から阿佐海岸鉄道に移管し、阿波海南駅でDMVのモードチェンジ部とJR線の折り返し設備の工事を行います。阿佐海岸鉄道の線路はJR線と分断される予定です。

 これに伴って、阿佐海岸鉄道→JR連絡券は「海部→***円区間」となっているものが、「阿波海南→***円区間」に変わると思われます。

f:id:imadegawa075:20200407231735j:plain

DMVの運行ルート案(第5回阿佐東線DMV導入協議会資料より)

 運行ルートは阿波海南と甲浦でDMVのモードチェンジを行い、阿波海南~甲浦間の約10Kmは鉄道の線路を走り、その前後はバス運行区間となります。甲浦から室戸方面まで行く構想もあるようです。

f:id:imadegawa075:20200407224830j:plain

工事中の甲浦駅の様子 2020/1/4

 私が訪ねたときは駅舎改築工事の第一弾として、甲浦駅の高架ホームから道路に下りる渦巻き型のスロープを設置する工事を行っていました。今年度は阿波海南駅の工事のほかに、海部・宍喰駅のホームをDMV仕様に造り替える工事も行われるようです。

 DMVの本格的な営業運転は世界初で、それを売りに観光客を呼び込みたいようです。DMV導入のための工事や車両購入費が発生し鉄道設備の維持費は残りますが、既存の気動車は売却でき、DMVになって維持費も大きく下がりますので、長期的に収支の改善にはなるのかなという感じがします。営業運転が始まったら乗りに行きたいところです。