続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

道南いさりび鉄道本社

 道南いさりび鉄道の本社は函館駅から線路沿いを五稜郭方面に5分ほど歩いた場所にあります。JR北海道から譲渡されたと思われる2階建ての地味な建物で、いかにも鉄道の現業部門という雰囲気を醸し出しています。

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道南いさりび鉄道本社 2019/9/22

 本社では乗車券や回数券・定期券の発売を行っています。営業時間は平日の9時~17時なので、土日休みの遠方の勤め人が行くにはちょっと難しいです。私が訪ねたのは昨年9月22日の日曜でした。10月からの消費税増税に伴い運賃が値上げされるため、定期券購入客のために臨時で営業していました。

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 発売箇所表記は「道南いさりび鉄道 本社発行」となります。私の収集対象であるJR連絡券については、道南いさりび鉄道各駅→函館のみの発券になります。そこで東久根別→函館の片道券を発券してもらいました。東久根別駅は無人駅で券売機もありません。そのため、この区間の乗車券を発券できるのは本社のみとなります。

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簡易委託の前出し券(再掲)

 以前の記事で紹介した簡易委託の前出し券を比べてみると、結構違いがあり興味深いです。本社発行の券は「普通乗車券」で「下車前途無効」となっているのに対し、前出し券は「乗車券」で「途中下車前途無効」です。着駅の「北海道会社線」という会社名も本社発行の券のみ入りますし、金額の位置も本社発行の券は左で前出し券は右で違います。

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 七重浜~函館間の往復券も出してもらいました。簡易委託駅や券売機では往復券の発券ができず、本社のみで発券できます。復路片の着駅にも「道南いさりび鉄道会社線」と入るのが面白いです。


 北海道新幹線が札幌に開業する際には函館~長万部~小樽間の函館線がJR北海道から分離されます。新幹線アクセスを担う函館~新函館北斗間もJR北海道から分離されます(函館市は当初難色を示していたようですが)

 その際は函館近辺の路線は道南いさりび鉄道に移管されるんじゃないかと思っています。そうなると、函館・五稜郭ぐらいは道南いさりび鉄道で初の直営有人駅となり、窓口端末が設置される可能性も高そうです。

【蛇足】

 2030年度末と言われている北海道新幹線が札幌へ延伸する際に、函館~長万部~小樽間の函館線がJR北海道から分離されます。個人的にはその結末は以下のような悲観的なシナリオを予想しています。

函館~森  :道南いさりび鉄道に移管し存続(駅や支線の整理はするかも)

森~長万部 :旅客営業廃止し貨物専用線化(JR貨物が北海道撤退の場合は廃線)

長万部~小樽:廃線

 長万部~小樽間のうち倶知安~小樽間はそれなりに利用客がいますが、豪雪地帯で60Km弱のこの区間だけを運営する第三セクター会社が成立するかと問われるとやはり厳しいと思います。いずれにしろ、北海道やその沿線自治体は好き勝手言ってJR北海道の支援についてすらまとまれないのに、路線の存廃が絡めば大荒れの予感です。