関空特急「はるか」は1994(平成6)年9月4日の関西国際空港の開港のタイミングに運転を開始しました。当初は京都発着と新大阪発着が混在していましたが、後に京都発着に統一されています(その後、草津・米原発着が登場)。
このきっぷは「はるか」の立席特急券です。立席特急券は満席時に座席を利用しない前提で列車ごとに枚数を限定して発売されます。在来線では主に寝台列車の日中利用で使われていましたが、昼行特急でも過去に「成田エクスプレス」や「南紀」でも発売された事例があります。
「はるか」の登場当初は「成田エクスプレス」と同じく全車指定席で運転されていました。料金の高さが敬遠され、南海の「ラピート」やリムジンバスに客が流れて利用が伸び悩んだため、1998(平成10)年12月より自由席が設定されました。今では自由席が編成の半分以上を占めますから、再び全車指定席の「はるか」が設定され立席特急券が発売されることはもうないと思います。
関西空港が海外のLCCを積極的に誘致した成果もあり、近年は外国人観光客を中心に「はるか」の利用客も増加傾向にありました。そこで全列車9両編成とすべく、今年3月のダイヤ改正に新型車両の271系を投入しました。
ところがタイミングが悪いことに新型コロナウィルスの影響で日本国内への入国制限がかかり、関西空港を発着する国際線のほとんどの便が欠航となりました。そのため、「はるか」の利用状況も急激に悪化し、ダイヤ改正から半月の4月1日から「はるか」を6両編成に戻し、271系はいったん運用を離脱しました。さらに4月24日から上下14往復が運休になり運転本数が半減しています。
空港利用客の増減に左右されてしまうのは空港特急の宿命ではありますが、271系はまだ見たことがないので、走っているところを早く見てみたいものです(ただ、ハローキティラッピングはちょっと...)。