のぞみ315号
◆区間:東京~新大阪
◆運転(予定)日:2020(令和2)年3月8日
2月8日朝10時過ぎのこと。スマホのメールボックスを見たら「【EX】新幹線予約内容」というメールが届いていました。
( ̄ー ̄)ニヤリ
3月8日に運転される700系C編成のラストランである「のぞみ315号」の指定がEX予約で取れたことを知らせるメールでした。事前予約をしていたのでこの日が発売日であったことすら忘れていました。
700系は1999(平成11)年3月に登場した東海道新幹線の第4世代の車両です。設計上の最高速度は285Kmで先代の300系より15Km上がっています。300系は高速化に寄与したものの、乗り心地が悪いと不評だったため、700系では空気ばねや車体間ダンパー、セミアクティブサスペンションなどを導入し乗り心地の改善を図っています。
JR東海のC編成(16両)が60編成、JR西日本用のB編成(16両)が15編成、ひかりレールスター用のE編成(8両)が16編成の計91編成の1328両製造され、0系以降で最多の製造両数になりました。N700系に置き換えられる形で2011(平成23)年から廃車が始まり、今年年初までにC編成が2編成、B編成が3編成(E編成はこれまで廃車なし)にまで減っていました。
ただ、私個人的には100系や500系のようなシャープな形状の新幹線が好きなので、空力抵抗を考慮してあの形になったのは分かっていても、700系の丸みを帯びたエアロストリームと言われる先頭車の形状がどうしても好きになれませんでした。
JR東海は2015(平成27)年10月のプレスリリースでN700Aの追加投入とともに、平成31年度末までに700系の置き換えを完了する計画を発表しています。よって、700系のこのタイミングでの引退は4年半も前から宣告されていました。だんだん数を減らしつつある700系を見て引退の日が迫るのを実感できました。
今年2月に入って最後まで残っていたC編成2編成に対し引退記念の装飾を施し、臨時列車や団体専用列車で走らせました。私は先述の通りラストランの「のぞみ315号」の指定が取れていたので、記念装飾を施した編成が走っているところを記録しておきたいと思い、近場で撮影していました。
3月1日に撮って後は本番(3月8日)を待つだけだと思っていたその翌日、衝撃のプレスリリースが飛び込んできました。
落胆よりも先に「昨日の団臨は何事もなく走ってたのにマジか???」という驚きでした。乗客の感染リスクという点だけ考えれば団臨もラストランも大差ないと思います。ただ、見送り客まで含めると大きな違いがあります。団臨はダイヤが正式に公表されていないので、集まったとしてもせいぜい鉄ヲタだけでしょう。片やラストランは時刻表にダイヤが掲載されているうえに、700系の特集記事が組まれたり「指定券は即完売!」なんてニュースにもなっていて話題性も十分だったので、大人も子供も多くの人が駅に集まるであろうことは容易に想像がつきます。
東海道新幹線の快適性向上に大きく寄与した700系の最後がこんな形で突然終わってしまったので、乗客としてはとても残念ですが、運行主体のJR東海も残念だったと察します。特急券は払い戻しの対象になり、車内で配布予定だった乗車記念品については、後日駅で配布されることになっています。
普通は払い戻しをしたらきっぷは回収されます。特急券の払い戻しは当然の権利として受けたいですが、きっぷヲタとしてはきっぷを手元に残す方法がないか考えました。相反する欲求です。
もともとこの列車で北近畿方面に行く予定で、列車が運休になっても予定は変更なしのつもりだったので、自由席特急券として使うことにしました。使用済みのきっぷをいつも通り貰って帰れば手元に残せますし、使用済みなので払い戻しされることはありません。実際の乗車区間は新横浜→京都で正規の自由席特急料金の4,620円との差額290円は損していますが、きっぷは手元に残せて実質的な損はその程度なので、われながらよく気づいたなと思います。
なお、乗車記念品が具体的にいつ貰えるかはアナウンスされていません。新型コロナが終息してからとのことですので、夏秋ぐらいまで延びるかもしれません。それまでこの特急券を手元に気長に待つとします。
【追記:2020/6/21】
6月19日からようやく乗車記念品の配布が始まりました。配布箇所は東海道新幹線の「のぞみ」が停車する6駅です。私も外出の帰りに東京駅で受け取ってきました。遠方の場合は郵送でも対応するそうです。
乗車記念カードとポストカードと700系C60編成を解体し、抽出したアルミから製造したメダルです。メダルについては裏面にシリアルナンバーが刻印されていて、唯一無二のお宝です。
引き換え時には乗車区間・席番・券番を控えていました。きっぷに対しては裏面に白の修正ペンで斜線を入れ「スミ」と書いて受け取り済みの証明としていました。