続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

阿波踊り号

阿波踊り号

◆種別:特急

◆区間:高松~徳島

  毎年8月に徳島市で開催される阿波踊りへ行く臨時列車として特急「阿波踊り」号が運転されています。近年は1日1~2往復設定されていましたが、昨年は上り(徳島発)1本に減便されていました。

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「阿波踊り1号」特急券

 この列車の存在は以前から知っていたんですが、阿波踊りは毎年開催されていましたし、「阿波踊り号」も必ず運転されていたので、ネタとしての優先度は高くありませんでした。

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阿波踊り1号:高松駅 2017/8/15

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阿波踊り1号行先表示 2017/8/15

 初めて乗ったのは3年前でした。見ての通り車両は2600系で、愛称の表示は「臨時」となっています。4両編成で自由席と指定席が2両ずつでした。だいたい1時間に1本で定期の「うずしお」が走っていたので、この列車だけに乗客が集中することはなく、7割程度の乗車率でした。

 JR四国にとって久々の新型の特急型気動車である2600系は量産先行車2編成4両がこの年の1月に落成し、試運転を経て8月11日の団体パックツアーでデビューしました。その直後8月12~15日に「阿波踊り1・2号」に充当されました。

 6月発売のJTB時刻表にはキハ185系充当と記載されていましたが、2017年5月20日の徳島新聞には「高徳線に新型特急 阿波踊り期間、臨時列車でデビュー」という見出しで以下のような記事が出ていました。

------(引用ここから)

 JR四国が8月12~15日の徳島市の阿波踊り期間中、高徳線を走る臨時列車に新型特急気動車2600系の運行を検討している。実現すれば初の営業運転で、鉄道ファンの関心を集めそうだ。

 19日に発表された夏の臨時ダイヤによると、特急阿波踊り1号が午後2時42分高松駅発で午後4時11分徳島駅着、2号が午後9時24分徳島駅発で午後11時7分高松駅着。この2本に2600系の使用が検討されている。

 午後10時43分に徳島駅を出る4号には、従来型の車両が使われる見通し。特急阿波踊り号は例年12~15日の各日、徳島から高松に向かう1本だけだったが、新型車両で乗客の増加が見込まれることから増発する。

 2600系はJR四国の特急気動車としては1989年に投入された2000系以来、28年ぶりの新型車両。現在は訓練運転を行っている。

------(引用ここまで)

 本格デビュー前の2600系に一足早く乗れそうな機会だったので、時刻表より徳島新聞の記事を信じ、夏休みを阿波踊りに合わせて乗ってきた次第です。

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2600系座席 2017/8/15

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主張の激しいバリアフリートイレ 2017/8/15

 この当時「うずしお」の主力車両であったN2000系は1995(平成7)年~98(平成10)年に製造され、デビューから約20年経っています。2600系には全席コンセントが用意され、バリアフリー対応のトイレにフルカラーLEDの案内表示が設置され、20年分の進化が詰まっていました。乗っていても不快な揺れや加減速のショックが少なく「こりゃいい車両だ!」と感動しました。

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指定席のランプ(点灯状態) 2017/8/15

 JR四国独特で面白い機能だなと思ったのが指定席のランプです。JR四国では特急列車が短編成なため、1両のうちの「1番から7番までが指定席で8番以降は自由席」と具合に使い分ける運用が当たり前にあります。それを通路上のボードやシートカバーの色を変えて表現していたんですが、2600系では荷物棚に指定席のランプを付けることで表現していました。

 その後2600系は量産・本格投入されるとばかり思っていましたが、カーブ区間が多い土讃線で走らせるには空気ばね制御に使用する空気容量が十分確保できないことが分かり、土讃線には後継の2700系が投入されています。2600系は量産先行車の4両で製造が終了しています。


 新型コロナウィルスの影響で今年の阿波踊りは中止となりました。台風直撃などの悪天候で日程の一部が中止になったことはありましたが、全日程が中止になったのは記録が残る1972(昭和47)年以降で初めてだそうです。よって、残念ながら今年の「阿波踊り号」の設定はありません。

 3年前に「阿波踊り号」で徳島へ行った際には結局阿波踊りは見ずに帰ってしまった(この時点で徳島に何しに行ったのかまったく意味不明ですが)ので、今度こそは阿波踊りも見に行きたいものです。