昨年(2020年3月31日権利確定分)付与されたJR東日本株主優待割引券(以下「優待券」)から制度が変わりました。上場以来、優待券1枚につき2割引で、2枚まで併用可能で最大4割引でした。昨年付与分からは優待券1枚で4割引になった代わりに2枚併用ができなくなりました。
また、優待券の形態も変わりました。これまでは偽造防止のホログラムが入った紙切れでしたが、今年からは航空会社の株主優待と似たようなスクラッチカードに変わりました。スクラッチ部分を削ってQRコードや番号を表示させる仕組みです。
スクラッチカード式のいいところは、発券にあたって窓口の係員を介さずとも指定席券売機でもできるところです。JR東日本はみどりの窓口を閉鎖し、指定席券売機への置き換えを進めていますから、会社の施策に合わせた措置とも言えます。また、今年夏を目途に「えきねっと」で株主優待関連のきっぷを予約できるようにするそうです。
昨年11月に仙台方面へ行く用事があったので、手持ちの株主優待券を使って指定席券売機できっぷを買ってみることにしました。以下の行程を予定していました。
乗車券:11月19日 東京都区内→鮫
特急券1:11月19日 東京→仙台(東京17:56発はやぶさ107号)
特急券2:11月21日 仙台→新花巻(やまびこ指定席)
特急券3:11月21日 盛岡→八戸(特定特急券)
JR東日本の株主優待の特急料金への適用は一行程で一列車にしかできないため、一番高額な1に対して適用します。ここでは乗車券と特急券1を購入すべく、試してみました。
JR東日本の指定席券売機の初期画面です。一番下の右側のあまり目立たない「乗車券」のボタンの中に株主優待のメニューがあります。
進んでいくと「ご案内」が表示されます。赤字で「株主優待割引券は旅行が終了するまで大切に保管してください」とあります。これは株主優待適用の乗車券類で旅行中に遅延や運行不能等で払い戻しをすることになった場合、購入に使用した優待券を復活させて再利用できるためです。株主優待が適用されたきっぷの磁気情報に株主優待割引番号がエンコードされているのかもしれません。
緑の「確認」ボタンを押すと経路検索の画面が表示されました。「11月19日17:55発 東京→鮫」で検索してみたところ、一本後の18:20発の「はやぶさ41号」の東京→八戸が表示されました。「はやぶさ107号」は盛岡止まりなので、経路検索の結果としては自然ですが、私の利用したい条件には合いません。
そこで、「11月19日17:55発 東京→仙台」で検索してみたところ、「はやぶさ107号」は表示されましたが、乗車券が仙台市内で打ち切られてしまうため、これも私の利用したい条件には合いませんでした。
その後さらに新幹線指定席メニューから購入を試みるなどいろいろと格闘してみたものの、どうしても条件に合うものは発券できず、結局後日みどりの窓口で購入することになりました。単純な経路では購入可能なんでしょうが、途中下車したりちょっとイレギュラーな行程になると対応できないのでしょう。
みどりの窓口で購入したきっぷです。発券前に株主優待割引券番号とパスワードを画面に手入力し、優待券の状態を確認する機能があり、未使用であることを確認してから発券しました。そして、発券後は優待券が返却されました。
指定席券売機の株主優待での購入メニューは通常の経路検索と変わらず、正直期待はずれで、もう少し工夫して欲しいなぁと感ずるところです。近いうちにもっと単純な経路でリベンジする予定です。