続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

湘南ライナー廃止へ

 昨年11月12日の東海道線特急リニューアルのプレスリリースの中で、「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」を廃止し、特急「湘南」とするニュースがありました。

 これまでは520円のライナー券で利用できていたものが、50Kmまで760円、100Kmまで1,020円の指定席特急券が必要となります。

     50Km以内  100Km以内
東京・渋谷から  大船まで 藤沢以遠
品川から  辻堂まで 茅ヶ崎以遠
新宿から  戸塚まで 大船以遠
特急料金
(チケットレス割引適用)
 
760円
(660円)
1,020円
(920円)
ライナー料金  520円

 こうして見ると「湘南」停車駅で50Km以内の範囲は東京・渋谷~大船間と品川~大船・藤沢・辻堂間ぐらいです。なので、多くの区間が520円から1,020円(チケットレス割引で920円)とほぼ倍に値上がりします。運行当初は「えきねっと」のチケットレス割引額が300円に拡大されますが、あくまで9月末までの期間限定です。

 下り列車は神奈川県内の最初の停車駅から先は料金不要の快速列車として利用できていますが、それはできなくなります。グリーン定期券所持者が「湘南ライナー」等を利用する場合はライナー券を買わずに定期券の呈示だけでグリーン車を利用できますが、それもできなくなります。

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おはようライナー新宿22号:東海道線・藤沢~辻堂 2018/8/20

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おはようライナー新宿24号(左)と湘南ライナー8号(右):小田原駅 2020/3/13

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湘南ライナー14号:東海道線・藤沢~辻堂間 2018/8/20

 3月13日から新幹線停車駅を2駅以上含む在来線IC定期券で、定期券区間内の新幹線自由席に乗車できるサービスが始まります。このサービスを利用すると、東京・品川~小田原間の新幹線自由席が990円で利用できるようになります。特急「湘南」とほぼ変わらない料金で、40分速い新幹線が利用できてしまいます。

 さらに、新宿~藤沢・小田原間は小田急ロマンスカーとの競合もあります。「湘南」の特急料金はいずれも1,020円ですが、対する小田急は藤沢630円、小田原910円といずれも料金は小田急に軍配が上がります。

 2年前のダイヤ改正でE353系増備に伴って「中央ライナー」「青梅ライナー」を特急化し値上げしましたが、競合がそれほど強力ではなかったため、大きく乗客が落ち込みませんでした(私の予想には反しましたが)

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E257系2000番台の「踊り子15号」:伊豆急線・蓮台寺~伊豆急下田 2020/3/15

 東海道線はしっかりした競合が存在する上に、新車投入ではなく中央線で20年酷使されていたE257系を改造し2000番台化して転用するだけですから、値上げに対するメリットは明らかに小さいです。中央線でうまくいった手法で2匹目のドジョウを狙うわけですが、新型コロナの影響で通勤客全体が減っている中で東海道線でうまくいくのか元「湘南ライナー」ユーザーとして注目しています。 


 「湘南ライナー」は国鉄の増収策の一環で、国鉄最後のダイヤ改正である1986(昭和61)年11月に登場しています。当時から車両は185系ですので、36年間も変わらず走り続けていることになります。

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短冊形の乗車整理券

 初期はこのような号車が指定された短冊形の常備軟券の乗車整理券を立ち売りで発売していました。私の手持ちを見てみたところ、少なくとも東海道線のライナーでは1996(平成8)年まではこのタイプがありました。

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券売機の故障時に発売された常備軟券のライナー券

 1999(平成11)年3月に310円から500円に値上げされた際にライナー券と称するようになりました。こちらの券は大船駅のライナー券売機が故障した際にイレギュラーで発売されたものです。デカデカと「ライナー券」と表記されています。

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エドモンソン券のライナー券(下り用)

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85mmのライナー券(上り用)

 現在のライナー券は乗車駅のライナー券売機で発売しています。下り列車は発車の30分ほど前から、上り列車は前日から発売しています。上り用と下り用でサイズの違いがあるのは正直わかりません。下り用のエドモンソン券は緑色もあったと思います。上り用の85mm券のフォントの違いは券売機の違いで、茅ヶ崎駅の丸ゴシックの方が旧型です。券紙は藤沢駅だけなぜか緑でした。

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マルスのライナー券

 変わり種として、下りについてはJR東日本の首都圏の駅のみどりの窓口でも発売しています。見ての通りイベント券の様式を流用した個性的なものです。イベント券様式のライナー券はなくなりますので、気になる方はお早めに。会津鉄道の乗車整理券は残ると思いますが...。