続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

陸前高田再訪

陸前高田再訪

 東日本大震災から今日で10年経ちました。学生時代を仙台市で過ごし、東北とそれなりの縁がある立場としては感慨深いものがあるとともに、その後の復興の進み具合が気がかりでもありました。 

 昨年11月に2014(平成26)年3月以来約6年ぶりに岩手県陸前高田市を訪問しました。工事中だった巨大防波堤は完成し、市街地はかさ上げされ建物が建ち始めました。全体的にまだ空き地は目立つものの、中心部は道路が整備され公共施設や商業施設が建ち並び、真新しい道路を車が行き交い、だいぶ活気を取り戻していました。

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津波で流された陸前高田駅 2014/3/23

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無造作に放置されていた平成22年12月改正の時刻表 2014/3/23

 東日本大震災では大船渡線・陸前高田駅は津波で流されました。当日勤務していた委託会社の社員は亡くなったそうです。6年前に陸前高田を訪れた際にGooglemapを頼りに陸前高田駅があったであろう跡に行ってみると、プラットホームと駅舎の基礎しか残っておらず、しばし呆然としました。そして、震災から3年が経っていても壁貼りの時刻表やごみ箱といった駅の備品が放置されたままでした。

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仮復旧時の陸前高田"駅" 2014/3/23

 その当時BRTで仮復旧していた大船渡線・陸前高田駅は6年前は高台の市役所仮庁舎の隣にありました。駅といっても6畳ほどの小さなプレハブ小屋で、当然線路もないのでおよそ駅らしくない雰囲気でした。みどりの窓口はあったものの、日・火・木曜の週3日しか営業していませんでした。

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現在の陸前高田駅 2020/11/21

 その後、2018(平成30)年4月に高台からかさ上げの終わった新市街へ移転し、駅舎らしい駅舎が建設されました。引き続きみどりの窓口が設置され、トイレ・待合室も完備されています。この写真ではわかりませんが、左手にBRTを乗降するバスターミナルがあります。

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被災前の陸前高田駅(wikipedia:「陸前高田駅」より) 2002/6/13

 緑のトタン屋根に平屋の駅舎は新しくもどこか懐かしさのある雰囲気があります。これは被災前の駅舎をイメージしたものと思われます。後でwikipediaを見てなるほどなと思いました。

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陸前高田駅みどりの窓口 2020/11/21

 陸前高田駅のみどりの窓口は私が訪問した時点で、営業時間は10:00~13:00と14:00~17:20でした。以前は曜日によって非営業の日がありましたが、現在は毎日営業になっています。

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 6年の間にMEX端末からME4端末に置き換えられ、発売箇所表記は「陸前高田駅E」となりました。BRT単独駅ゆえ入場券が買えない以外は普通のみどりの窓口と変わりません。クレジットカードは使えますし、えきねっとの受け取りもできます。 

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 以前の記事でも紹介しましたが、BRT区間にある駅のみどりの窓口(気仙沼・陸前高田・盛)ではBRTで完結する区間のマルス券が購入できます。鉄道~BRTの通しの券は他でも買えますが、BRT単独のマルス券はこの3ヶ所だけでしか買えません。マルス券だと120mm券になります。


 陸前高田駅へ行く前に、高田松原津波復興祈念公園と東日本大震災津波伝承館と奇跡の一本松に寄ってきました。津波伝承館には津波で被災しボロボロになった消防車や大槌駅の駅名板が展示してあり、津波の被害の凄まじさの一端を見ることができます。

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津波復興祈念公園の献花台 2020/11/21

 以前、快速「リアスシーライナー」でこの辺りを通った時に海岸沿いに松林が広がっていて海が見えなかった記憶があるんですが、その松林の木が1本を除いて東日本大震災の津波で流されてしまいました。その生き残った1本の松はいつしか「奇跡の一本松」と呼ばれるようになりました。

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奇跡の一本松と震災遺構のユースホステル 2020/11/21

 奇跡の一本松は手前のユースホステルが津波を防ぐ形となって生き残ったと言われています。崩壊したユースホステルは震災遺構として保存され、奇跡の一本松とともに陸前高田の震災の被害を今に伝えています。 

 いずれも場所はBRTの「奇跡の一本松」駅のすぐそばです。隣接して道の駅「高田松原」があるので、車で行くにも便利です。今回はあまり時間がなく早足でしたが、次回は街の復興の進み具合も確認すべくまた訪れたいと思っています。