続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

新えきねっとを試してみた(コンビニ決済)

新えきねっとを試してみた(コンビニ決済)

 6月27日の「えきねっと」リニューアルの際に決済方法に新たにコンビニ払いが追加されました。

 JR西日本のe5489やJR九州ネット予約では2017年5月からできるようになっていて、「新えきねっと」もそれに追随した形です。対応しているのはセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキ、ミニストップ、セイコーマートです。

 以下に「新えきねっと」におけるコンビニ払いの概要とクレジットカード払いとの比較をまとめました。

  コンビニ払い クレジットカード払い
セブン
イレブン
セブン
イレブン以外
予約期限 乗車6日前の
23:59まで
乗車2日前の
22:30まで
乗車6分前まで
web上での
変更・払戻 
予約した列車の
座席位置変更のみ可
取扱範囲 JR東日本・JR北海道・
JR西日本管内
JR全線
その他 在来線特急のチケットレス
サービスは利用不可

 セブンイレブンとそれ以外とで予約期限が異なります。コンビニ最大手のセブンイレブンを利用する方が不利というのは奇異な印象は受けますが、セブンイレブン以外の会社はウェルネットという決済代行会社のサービスを利用していて、セブンイレブンだけ利用していないのでその違いだと思います。金融機関ATMやインターネットバンキング払いもウェルネットのサービスを経由して行います。

【コンビニ決済後・きっぷ受け取り前の取り扱いについて】

  新えきねっと JR西日本e5489 JR九州ネット予約
変更 予約した列車の
座席位置変更のみ可
不可
(発券後に対応)
払戻 銀行振込、ローソンや
セブン銀行ATMで返金可
銀行振込、ローソンで
返金可
不可
(発券後に対応)

 「新えきねっと」では後発の利を活かして、コンビニ決済後で受け取り前の変更や払い戻しの手続きについてe5489やJR九州ネット予約ではできないことに対応させていたりします。


 ここからは実践編です。6月27日は青森にいました。リニューアル初日にその日使う予定のきっぷをコンビニ決済で仕込んでみようと思ったんですが、この時点で2日以上先のきっぷでないと予約できないことを初めて知りました。どうしようかな...と思って適当にいじっていたところ、100円ソコソコの少額の予約でもコンビニ決済できることに気づきました。

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 7月1日利用の160円の乗車券に予約し、ホテル近くのローソンで支払ってきたものです。ローソンではLoppiで手続きを行い、そこから出力されたレシートを持ってレジで支払うと、このような取扱明細兼領収書という紙切れが貰えました。もっとも、この紙切れはただの控えなので、このまま乗車することもきっぷに引き換えることもできません。これはe5489やJR九州ネット予約でも同じです。

 コンビニ決済で気を付けなければいけないのは、この取扱明細兼領収書には会員の氏名が印刷されてしまうので、法人名など別名義の領収書が必要な場合には使えません。その場合はwebのマイページから出力する必要があります。

 決済が終わると同時に17桁の「お受け取りコード」とQRコードの画像が添付された支払完了メールが飛んできます。 窓口では「新えきねっと」で予約し、お受け取りコードを伝えると発券してくれます。津軽線・蟹田駅では私が「新えきねっと」の受け取り客第一号でした。

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コンビニ金融機関発行

 上の段のダミー発売箇所表記の「コンビニ金融機関発行」というのは正直目を疑いました。趣味的には大変興味深いですが、これだとあたかもコンビニや金融機関できっぷを発券したように見えてしまいます。

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e5489コンビニ払い「西CVS予セ」

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JR九州ネット予約コンビニ払い「九CVS予約セ」

 参考までにe5489では「西CVS予セ」、JR九州ネット予約では「九CVS予約セ」だったので、「新えきねっと」では新幹線eチケットサービスで既に使われている「えきねっと**」かせいぜい「東CVS」だろうなと予想してました。まさかこう来るとは思いませんでした。

【蛇足】

 ここでちょっとだけ私自身の平日のことを書きます。今は離れていますが、仕事でクレジットカードやコンビニ決済の導入に携わったことがあります。

 クレジットカードやコンビニ決済はカード会社や決済代行会社に対して加盟店(ここではJR東日本)が負担する手数料が発生します。利用客への利便性の提供と引き換えに、その手数料分は売り上げから減ることになります。

 クレジットカードの場合は加盟店手数料と呼ばれ、決済金額に一定の手数料率をかけて手数料を算出します。手数料率はカードのブランドや加盟店の業種・年間の取扱高によっても変動します。一般的にVISAやMasterと比べてJCBは高く、かつてのスシ〇ーやサ〇ゼリヤのようにVISAやMasterは使えてもJCBは使えない店があるのはJCBの加盟店手数料の高さが原因です。もっとも、JR東日本のように広く一般客向けに商売していて取扱高も大きい会社はどのブランドであれ手数料率は1%台のレベルだと思います。160円のきっぷだと1~2円の世界です。

 片やコンビニ決済の手数料は決済金額に手数料率をかける従量制ではなく、1回〇〇円という課金体系だったと記憶していました。ちょっと記憶があいまいだったので、そのへんの実務に詳しい社内有識者のT君に聞いてみました。 

私:「LoppiやFamiポートとか操作して払うコンビニ払いの手数料ってどうなってるんだっけ?従量じゃないよね?」

T君:「あーあれは決済金額のレンジ(幅)で何段階か分かれてて、1件いくらって感じで固定ですね」

私:「あまり安い額でコンビニ払いしちゃうと手数料の方が高くなることが起こりうるよね?」

T君:「ありますね。下手したら赤字になるので、普通は最低決済金額の制限かけますけど」

 e5489やJR九州ネット予約は特急券や指定券を伴わない乗車券単独の購入ができないので、今回のように100円ソコソコの極少額になることはまずありません(皆無とは言いませんが)。一方で新えきねっとでは乗車券単独の購入が可能なので、理論上40円のきっぷ(電車特定区間の小児初乗りに株主優待割引適用)も購入できてしまいます。

 そんな少額のものをコンビニ決済で購入されてしまうと、手数料の方が高いという事態が起こります。今回のような決済金額が安すぎて手数料の方が高くなる件数が無視できないほど多くなるようであれば、T君が言うようにそのうちコンビニ決済に最低決済金額の制限が入るかもしれません。