仙山線・愛子(あやし)駅は仙台市青葉区にあります。青葉区は行政でも商業でも仙台市の中心ですが、区域は東西に大きく広がっていて、西は山形県境まで続き東根市と尾花沢市に接しています。愛子駅のある一帯は以前は宮城町という町で、1987(昭和62)年11月に仙台市と合併してその一部になっています。
仙台市は翌年さらに北隣の泉市と南隣の秋保町を合併して政令指定都市に移行し、旧宮城町は青葉区の一部になりました。その後、愛子駅周辺の愛子地区はベッドタウンとして開発が進み、愛子駅の利用客も増加の一途を辿りました。1986(昭和61)年に1,300人だった一日の乗車人員はコロナ禍前の2019年には4,269人と3倍以上に伸びました。
先日成年皇族となられた愛子内親王ご生誕の際の20年前の12月には、愛子駅の入場券を買い求める人が駅前まで長蛇の列を作っていました(読みは違いますけどね)。この当時愛子駅にはみどりの窓口がありマルス端末(確かME-S端末)が設置されていましたが、急遽このような常備軟券の入場券が発売されました。確か大人用もあったはずです。
そんな愛子駅ですが、今年9月末でみどりの窓口が閉鎖されました。仙山線では国見・東北福祉大前・陸前落合のみどりの窓口と東照宮・北山のPOS窓口が同時に閉鎖になり、仙山線の宮城県側のみどりの窓口は北仙台駅に集約されました。
その報を聞いて6年ぶりに愛子駅を訪れたところ、知らぬ間に駅舎が建て替えられていて驚きました。窓が少ない今風の駅舎で、執務スペースは広くなったように見えます。3年前に建て替えられたようです。
少々買いものをした愛子駅のみどりの窓口です。みどりの窓口と改札が一体化していて仙台支社管内ではよく見られる様式です。窓口も改札も一人で対応していて、無人化するわけでもないので、みどりの窓口を閉鎖したからと言って人員を削減できるわけではありません。削減できるのは端末費用ぐらいだと思います。しかも、愛子駅についてはみどりの窓口閉鎖後に(話せない)指定席券売機が設置されたので、そちらの費用が新たに発生しています。
10月に入って甥1を連れて旅行中に仙台で少し時間があったので、みどりの窓口がなくなった後の愛子駅に立ち寄ってみました。ちょうど休憩中で改札は無人でした。黒の多機能券売機を指定席券売機に置き換え、みどりの窓口の看板があったところには白い紙が貼られていました。
改札の脇には「きっぷのご購入に関するご案内」という紙が貼られていました。指定席券売機できない取り扱いをするために最寄りのみどりの窓口がある北仙台駅まで行く場合、運賃を払い戻す旨が明記されています。
みどりの窓口を閉鎖する場合にありがちな「ご理解とご協力を」という利用客に不便を強いることを屁とも思ってないような定型文を貼るよりは、このように代替手段が明記されている情報を出す方がよっぽど役に立ちます。
残念ながら、愛子駅の指定席券売機には入場券口座が設定されませんでした。仙台支社の新幹線停車駅以外で設定されている方が稀(あおば通・亘理・会津若松ぐらい?)なので、厳しいかなとは思っていましたが、過去に愛子様ブームで入場券がバカ売れした駅でもあるので、多少の期待はしていました。
仕方がないので帰路の乗車券だけ買って愛子駅を後にしました。甥1は何でこんなところに連れてこられたのかさっぱり分からないでしょうね…。