続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

JR東日本普通回数券発売終了へ

 4月26日のプレスリリースでJR東日本は管内で完結する普通回数券を9月末で発売終了することを発表しました。JR九州が昨年6月末に全面的に発売終了(下関発着は9月末)しています。全面的に発売終了するのはJRグループでは九州に次いで2社目です。学割や障害者、JR他社関連は引き続き発売します。

なくなる普通回数券

 個人的にはSuica事業に熱心で高い普及率を誇るJR東日本がJRグループで真っ先に普通回数券の廃止に踏み切ると思っていたので、この措置に対して特に驚きはないです。ただ、コロナ禍から平常モードに戻りつつある今のタイミングで実施したのが意外でした。

 JR東日本もJR西日本と同様にSuicaで同一運賃帯を月間10回以上の利用に対して、ポイントで還元するサービスを実施しています。同一運賃10回目が全額相当、11回目以降が10%のJREポイントが還元されます。

 ただし、普通回数券は3ヶ月で11回使えばよかったのに対し、1ヶ月で10回使わないと1ポイントも還元されません。さらにSuicaエリア跨ぎ(首都圏~仙台エリアなど)で利用できない場合やSuicaエリアの空白地帯では還元されようがないです(エリア跨ぎ問題は早急に解消する必要があると思います)

なくならない普通回数券

 回数券は客が10回分の運賃を前払いしてくれるので、鉄道会社にとってもメリットがあると思うんですが、今ではそのメリットよりもメリットの対価として1回分運賃を無料にするデメリットの方が大きかったんでしょう。それでも綴り枚数や割引率、有効期限など形態を変えても回数券は残せないものなのかな?と感じます。

JR東日本のプレスリリース

 プレスリリースの結びには「ご利用のお客さまにおかれましては、何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます」とやけに丁寧に記載されているので、いつも「ご理解とご協力を」で強引に押し切っているさすがのJR東日本も今回の措置が利用客側への強力な不利益変更という認識はあるようです。

 先日、「『JRの旅で見つけた日本の魅力を世界へ発信してください』インスタグラム投稿キャンペーンを実施します」というプレスリリースがJR各社から出ていました。JR各社がトクトクきっぷの廃止・改悪やこうした実質的な値上げで利用者負担を増やしながら「日本の魅力を発見する旅にでかけましょう」と呼びかけられても、モヤモヤしたものを感じます。

 鉄道会社は回数券や割引きっぷがなくなったらその分普通運賃・料金を払って乗ってくれるだろうと思ってそうですが、独占状態の都市部ならまだしも、利用者側が自衛策を働かせ利用回数を減らすとかバスや車など他の交通機関へ逃げるかもしれないという危機感はイマイチ薄そうに見えます。