続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

ひたちなか海浜鉄道連絡券

 ひたちなか海浜鉄道はもともとは茨城交通湊線という路線でした。しかし、2005年に茨城交通が経営悪化や設備の老朽化を理由に2008年で廃線にする意向を示しました。これに対し地元のひたちなか市は財政支援を行って存続を目指す方針を表明し、茨城交通と折半の出資で第三セクターのひたちなか海浜鉄道を設立し、2008年4月に同社へ移管しました。

国鉄型気動車が並ぶ那珂湊駅 2013/10/20

 この頃、茨城県の私鉄は日立電鉄や鹿島鉄道も同様に存続の危機に瀕しましたが、廃線を免れることができたのは茨城交通だけでした。路線がひたちなか市内で完結し、危機が表面化した早い段階から市が財政支援して存続させる方針を決められたのが大きいと思います。

JR東海から購入したキハ11系:阿字ヶ浦駅 2016/4/16

 移管後は列車の増発や新駅の設置、交換設備の追加、車両の更新など利便性向上策を進め、利用者は茨城交通時代末期より増加に転じました。昨年1月には現在の終点の阿字ヶ浦から国営ひたち海浜公園まで延伸する認可が下り、それに向けて動き出しています。廃線の危機に瀕した鉄道が路線の延伸をするという異例の展開になり、第三セクター化の成功例として挙げられる会社になっています。

 ひたちなかはわが家からは決して近くはないですが、春と秋にひたち海浜公園へ行く際に年1~2回は乗っています。ただ、いつも「ときわ路パス」やひたち海浜公園の入場券がセットになったフリーきっぷを買っていたので、片道きっぷを買って乗ることがありませんでした。

那珂湊駅 2022/4/23

 今年の春は久しぶりに那珂湊駅で降りました。ふと、ひたちなか海浜鉄道になってからJR連絡券を買っていなかったことに気づきました。ひたちなか海浜鉄道の連絡券を画像検索してみると、少し古いながらも補充券があったので、発券可能か窓口に聞いてみました。

 そうしたところ「JRから発券しないよう指導されているのでできない」という答えが返ってきました。そこまではっきり言われてしまうと素直に引き下がらざるを得ませんが、会社間の取り決めなのにJRがひたちなか海浜鉄道に対して指導という上からなスタンスを取っていることにちょっと違和感があったのは偽らざる事実です。

 正直、券売機券を買おうかどうか少し迷ったんですが、せっかく那珂湊に来て何も買わずに帰るのもアレなので買ってみました。

 勝田接続のJR連絡券です。着駅は同じ運賃帯の「新松戸~三河島間」という表記になっています。あたかも平成22年に見えますが2022年です。営業キロ100Kmを超えるので85mm券になりました。JR線部分が東京近郊区間内に収まるので、100Kmを超えていても当日限り有効で途中下車前途無効です。

 ひたちなか海浜鉄道とJRの普通連絡運輸の範囲は勝田接続で東京山手線内~日立間です。券売機で連絡範囲まですべての区間のきっぷが買えます。100km以内の区間は85mmではなくエドモンソン券になると思われますが、それは次回の課題としておきます。