先月から今月にかけて、関西(大和路)線・高井田駅を皮切りにJR西日本の大阪支社と神戸支社で「みどりの券売機プラス」が撤去された駅が現れました。
撤去には2通りあって、オペレーター対応機能のない普通の「みどりの券売機」に置き換えられた駅と、単純に撤去され既存の多機能券売機で代替させた駅があります。内訳は以下の通りです。
■普通の「みどりの券売機」への置き換え
駅名 | 所属支社 | みどりの券売機 プラス 撤去日 |
みどりの券売機 稼働日 |
---|---|---|---|
東姫路 | 神戸 | 8/31 | 9/1 |
同志社前 | 大阪 | 9/6 | 9/9 |
安治川口 | 大阪 | 9/13 | 9/16 |
■単純に撤去(既設の多機能券売機で代替)
駅名 | 所属支社 | みどりの券売機プラス 撤去日 |
---|---|---|
高井田 | 大阪 | 8/29 |
和泉橋本 | 大阪 | 8/31 |
御着 | 神戸 | 8/31 |
大阪支社が4駅と神戸支社が2駅の計6駅です。そしてこれが奇妙な符合を見せます。以下の駅は大阪・神戸支社で今月中に閉鎖されるみどりの窓口です。
■みどりの窓口閉鎖
駅名 | 所属支社 | みどりの窓口 閉鎖日 |
---|---|---|
森ノ宮 | 大阪 | 9/24 |
桃谷 | 大阪 | 9/24 |
大阪天満宮 | 大阪 | 9/24 |
河内磐船 | 大阪 | 9/24 |
灘 | 神戸 | 9/30 |
朝霧 | 神戸 | 9/30 |
こちらも大阪支社が4駅と神戸支社が2駅の計6駅です。朝霧駅は9月26日から、朝霧駅以外は閉鎖の翌日から「みどりの券売機プラス」が稼働する予定です。
撤去される6駅の「みどりの券売機プラス」はいずれも受話器が外付けになった古いタイプの機種なので、そのまま再利用するかは分かりませんが、支社内で利用の少ない駅の「みどりの券売機プラス」を撤去し、新たにみどりの窓口を閉鎖する駅に再配置して設置台数は維持すると見てよさそうです。
遠隔で客対応をし正確にきっぷを発券するという業務は難易度および専門性が高いため、オペレーターの数はそう簡単に増やせるものではないと思います。オペレーターを増やせないと、いくら「みどりの券売機プラス」の台数を増やしたところで待ち時間は長くなり利用客の不満が募るだけです。
「みどりの券売機プラス」の設置台数が増えるに伴って、待ち時間や使い勝手を問題視するこういったニュース記事がちらほら出てきていることもあり、限られた数のオペレーターのスキルを上げ、いかに効率よく回すかは重要な課題です。また、コスト削減の手段としてみどりの窓口の閉鎖は待ったなしです。
その解決策の一つとして稼働率の悪い「みどりの券売機プラス」の設置駅を見直し、その最適化を図っていくというのは一定理解できる話です。今後もこういう移設が進んでいきそうな感はします。
ただ、欲を言えば「みどりの券売機プラス」を撤去し多機能券売機に委ねるというのは、利用客にとっては相当不便になるのでやって欲しくないなと思います。最低でも「みどりの券売機」は設置して欲しいです。
8月中旬に友人と会う用事があって大阪へ行っていました。大阪滞在中に御着・東姫路の「みどりの券売機プラス」が撤去されるという情報を聞き、「青春18きっぷ」の消化がてら寄ってきました。
東姫路駅は2016(平成28)年に開業した新しい駅です。開業当初からみどりの窓口はなく、「みどりの券売機プラス」が設置されていました。それが8月末で撤去され、9月からみどりの券売機に置き換わりました。
「みどりの券売機プラス」がなくなるとのことなので、オペレーター対応できっぷを購入しました。何か気の利いたものが思い浮かばなかったので、首都圏のB自由席グリーン券にしました。これだと確実にオペレーター対応になります。ちなみにJR西日本の「みどりの券売機プラス」で購入したのは初めてです。
御着駅は1900(明治33)年に開業した歴史ある駅です。1935(昭和10)年に建てられた古い駅舎です。古くは出札があり硬券やPOS券を発売していました。
御着駅にみどりの窓口がいつ設置されたかの情報は持ち合わせていませんが、平成13(2001)年時点ではマルス端末ではなくS-POS端末が設置されていたようです。この頃マルス端末発行の新幹線特急券はほぼ85mm化が完了していましたが、S-POS券は120mmでした。
2015(平成27)年3月にみどりの窓口が閉鎖され、跡地に「みどりの券売機プラス」が設置されていましたが、それも8月末で撤去されました。
御着駅の「みどりの券売機プラス」ではEX予約のe特急券の乗車変更と入場券を購入しました。通常、J-WESTカードでのEX予約のe特急券の発売箇所表記はダミーの「西EX予約」となりますが、乗車変更の場合は実発行箇所が表記されます。
現在進行形でみどりの窓口の閉鎖駅はよく訪れていますが、こんなに早く「みどりの券売機(プラス)」の撤去駅も訪問するようになるとは思いませんでした。もう少し先のことだと思っていました。これもコロナ禍が後押ししたのかもしれませんね。