かわせみやませみ91・92号
◆種別:特急
◆区間:博多~門司港
特急「かわせみやませみ」は熊本~人吉間で1日3往復運転されていました。しかし、2020年7月の「令和2年7月豪雨」で肥薩線・八代~吉松間が被災し、現在も復旧のめどが立っておらず、列車が走れない状態が続いています。
そこで同じく肥薩線を走れなくなった「いさぶろう・しんぺい」とともに、被災の翌月から鹿児島線・博多~門司港間で全車指定席の特急列車として臨時運行されました。せっかく「D&S列車」に改造した車両を遊ばせておくのはもったいないという判断だと思います。

門司港行きが「かわせみやませみ92号」+「しんぺい92号」で、博多行きが「かわせみやませみ91号」+「いさぶろう91号」という運転形態でした。
91号 | 停車駅 | 92号 |
---|---|---|
10:40発 | 博多 | 17:12着 |
10:49着 10:51発 |
香椎 | 17:02発 17:00着 |
↓ | ↑ | |
11:38着 11:39発 |
折尾 | 16:21発 16:12着 |
11:45着 11:45発 |
黒崎 | 16:06発 16:05着 |
11:59着 12:01発 |
小倉 | 15:50発 15:42着 |
12:07着 12:07発 |
門司 | 15:35発 15:27着 |
12:14着 | 門司港 | 15:21発 |
こちらは2020年夏季に運転された際のダイヤです。特急「ソニック」の速達タイプだと博多~小倉間は約45分ですが、この列車は上下とも1時間20分ほど要しています。現に途中で後から来た「ソニック」を待避する光景も見られました。
比較的新しくてリクライニングシートのある「かわせみやませみ」の方が人気が高く、普通列車がルーツでボックス席の「いさぶろう・しんぺい」はどうしても不人気でした。同じ特急料金でも明らかに設備の差があるので、「かわせみやませみ」は指定席で「いさぶろう・しんぺい」は自由席とするぐらいの柔軟さはあってもよかったのかなと思います。
私は鹿児島線での運転開始間もない頃に1回だけ利用しました。博多から北九州へ向かう人には便利なダイヤでしたが、私は九州滞在時は嫁実家の北九州を拠点にしており、北九州側からは使い勝手が悪いダイヤだったので、結果的に1回の利用に留まりました。
西九州新幹線開業に伴う9月23日のダイヤ改正で「かわせみやませみ」は豊肥線・熊本~宮地間の1往復の運転に変更され、約2年ぶりに熊本を拠点に活躍することとなりました。これにより鹿児島線での臨時運行を終了しました。
「かわせみやませみ」の丸い窓は球磨川のバードウォッチング用の窓から阿蘇山や阿蘇大橋を眺めるための窓となります。
同区間の特急「あそ」は豊肥線が復旧時の2020年8月のダイヤでは、毎日運転が1往復と多客期運転が2往復の計3往復設定されていましたが、現在では多客期の2往復の設定がなくなり1往復だけになっています。
現在の「九州横断特急2号」→「あそ1号」→「あそ2号」→「九州横断特急1号」の運用だけであれば大分車両センターのキハ185系1編成で足りますが、「あそ」に相当する列車を増発するとなるともう1編成大分から引っ張ってくる必要があります。そのため、「かわせみやませみ」を熊本に戻して「あそ」の増発分として多客期に投入するのかなと推測しています。
いずれにしろ、キハ185系よりは「かわせみやませみ」の方が観光列車っぽいですから、阿蘇方面に投入したというのはいい判断だと思います。本来の活躍の場である肥薩線に戻る日が来るのかあやしいだけに…。