かささぎ
◆種別:特急
◆区間:門司港・吉塚・博多~佐賀・肥前鹿島(1日8.5往復)
昨年9月の西九州新幹線開業に伴って、長崎線を経由する在来線特急「かもめ」は廃止となりました。さらに肥前浜~諫早間は非電化となって電車の運行ができなくなり、現在は架線を剥がす工事が進んでいます。
「かもめ」の廃止に伴って不便となる肥前鹿島駅の利用客に対しては、新たに肥前鹿島発着の特急「かささぎ」を設定しています。「かささぎ」とはあまり聞きなれない名前ですが、佐賀県の県鳥なんだそうです。
博多~肥前鹿島間が1日7往復(下りの101号が門司港発で上りの104号は吉塚行き)設定されるとともに、同時に佐賀発着の「かもめ」も「かささぎ」となっており、門司港→佐賀間が1本、佐賀→博多間が2本の計1日17本運転されています。
充当される車両は787系が12本で大半を占めますが、783系(1本)や885系(4本)もあります。要は何でもありです。783系の1本は肥前鹿島発朝一番の102号で、783系の定期列車での長崎線・江北以南への入線が11年ぶりに復活しています。
「かささぎ」は西九州新幹線と接続しないため、号数は肥前鹿島発着が100番台、佐賀発着が200番台とかつての特急「踊り子」のように1桁・2桁の号数の列車がない珍しい設定です。
肥前鹿島発着が1日7往復と言いつつも、在来線特急の「かもめ」が日中も1時間に2本設定され全列車が肥前鹿島に停車していたことと比べると大幅減便となっています。肥前鹿島発着の列車のダイヤは以下の表の通りで、肥前鹿島発は午前中に多く、逆に肥前鹿島行きは夕方~夜に1時間おきに運転されています。
肥前鹿島発 | 博多発 | |
---|---|---|
39(博多) | 6 | |
14(吉塚) | 7 | 55(肥前鹿島) |
8 | ||
33(博多) | 9 | |
10 | 19(肥前鹿島) | |
54(博多) | 11 | |
12 | ||
13 | 10(肥前鹿島) | |
50(博多) | 14 | |
15 | ||
16 | 34(肥前鹿島) | |
17 | 35(肥前鹿島) | |
31(博多) | 18 | 37(肥前鹿島) |
33(博多) | 19 | 37(肥前鹿島) |
このダイヤは主に鹿島市から佐賀・博多方面への通勤・通学需要に対応していると思われます。逆に鹿島市へビジネスで利用することを想定すると、肥前鹿島に午前中の9~10時台に着ける列車や夕方に発車する列車がないのが不便に感じます。空白の時間帯は江北で佐世保線方面の特急列車と乗り換えれば済むんですが、直通できるに越したことはありません。
私が乗車したのは運行初日でしかも祝日でした。なので通常の利用状況は分かりません。乗車した「かささぎ101号」は下り一番列車だけあって指定は満席になっていましたが、実際に乗っていたのは半分もいませんでした。自由席はまばらで、肥前鹿島駅に降り立ったのは2~30人程度だったように見えました。
ちなみに3年後には早くも「かささぎ」の本数の見直しが行われる予定で、ここで実績を積み上げておかないと本数が大きく削減される恐れもあります。そういう意味では誕生と同時に正念場に立たされた列車であると感じます。これから「かささぎ」が現状維持できるのか、それとも減されてしまうのか注視していきたいと思っています。