常磐線・偕楽園駅は隣接する偕楽園の梅まつりの開催に合わせて毎年2~3月の土休日に営業する臨時駅です。日中(だいたい10~16時)の特急・普通列車が停車します。臨時駅としての営業は古く鉄道省時代の1925年にまでさかのぼり、再来年で100周年を迎えます。
そんな偕楽園駅に今年大きな変化がありました。今年の営業から営業キロが設定されたことです。
以前の時刻表の(臨)偕楽園の営業キロは・・・になっていて、偕楽園発着の乗車券・特急券は発売しませんでした。上野・土浦・水戸線方面とは水戸駅発着の、水戸・勝田・水郡線方面とは赤塚駅発着の乗車券が必要でした。
今年春の時刻表には(臨)偕楽園の営業キロは東京から119.3Kmが設定されています。赤塚駅から4.2Km、水戸駅から1.8Kmになります。
こちらは今年2月18日に撮影した常磐線・東海駅の運賃表です。偕楽園駅の運賃を表示するため上からシールが貼られています。東海駅から偕楽園駅までは330円ですが、昨年までは赤塚駅までの運賃420円が必要でした。
偕楽園発の乗車券です。偕楽園駅には下り線(水戸方面)片側にしかホームがないので、偕楽園駅から赤塚駅まで移動するにはいったん水戸駅まで下って上り列車で戻る形になりますが、水戸駅で途中下車しなければ偕楽園~水戸間の往復運賃は不要です。
実際に利用した偕楽園発着の特急券です。偕楽園駅に停車できるのは下り列車のみなので、特急券は下り列車限定になります。
営業キロの設定を記念して偕楽園駅のホームにはキロポストが立っていました。時刻表に記載されている東京駅からの119.3Kmではなく、常磐線の起点である日暮里駅からの113.5Kmとなっていました。
今回偕楽園駅に営業キロを設定することにより、乗車券や特急券を先の駅まで買う必要がなくなりました。上で紹介した東海~偕楽園間のように実質値下げされる区間もあります。このタイミングでJR東日本が営業キロを設定した意図は分かりかねますが、利用客にとってはいい変更だったと思います。ひょっとしたら100周年を前に常設化に向けた布石なのかなという気がしなくもないです。