続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

東京片道きっぷ(鳥取発・B寝台ソロ用)

 「東京片道きっぷ」は鳥取・倉吉から東京までの片道タイプのトクトクきっぷです。鳥取~岡山間は特急「スーパーいなば」、岡山~東京間は寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」のノビノビ座席もしくはB寝台ソロ(1人用個室)が利用でき、「サンライズ」の指定が確保できた場合のみに発売されます。鳥取・倉吉発のみの片発売で首都圏での発売はありません。

 「サンライズ出雲」は浜田発着の「出雲2・3号」を置き換える形で1998(平成10)年に登場しました。山陰線経由で残った「出雲」も車両の老朽化と利用客の減少により2006(平成18)年に廃止されました。

 その際に鳥取・倉吉から東京へ行く夜行列車がなくなることから、山陽線・上郡駅に「サンライズ出雲・瀬戸」を停車させた上で接続列車として新たに「スーパーいなば91・92号」を設定し、鳥取・倉吉方面との利便性を確保しました。

スーパーいなば12号:鳥取駅 2021/9/20

 その「サンライズ出雲・瀬戸」の上郡停車は2010(平成22)年に取りやめられ、鳥取・倉吉方面とは岡山駅で「スーパーいなば1・12号」と接続することになりました。上郡~岡山間が往復乗車となって運賃・特急料金が重複してかかり割高になるため、このきっぷが設定されたと記憶しています。以前は往復タイプもありました。

 現在の価格は以下の通りです。

 発駅  着駅 ノビノビ座席  B寝台ソロ 
鳥取 東京都区内 17,320円 23,390円
倉吉 17,660円 23,730円

 首都圏側の着駅は東京都区内のみで、ノビノビ座席とB寝台ソロ以外の設備も利用できません。

 このきっぷの存在は発売当初から知っていましたが、山陰側からの片発売な上に個人的に飛行機利用も多くなっていたので、なかなか利用する機会がありませんでした。初めて利用できたのは一昨年9月のことでした。

企画券本体

スーパーいなば指定券

サンライズ出雲指定券

 B寝台個室の指のみ券というのはなかなかお目にかかれないと思います。企画券の発売箇所表記が「西予約セ014」となっているとおり、今年2月末でサービス終了した「トクトクきっぷダイヤル」で予約しました。現在でもe5489では対応しておらず、鳥取周辺のみどりの窓口・旅行会社かみどりの券売機プラスでの購入となります。

ひとこと

 おそらく「フルムーンパス」なき今、トクトクきっぷで「サンライズ」が利用できるのはこのきっぷだけだと思います。

 価格について少し分析してみます。仮に「サンライズ」の上郡停車が継続されていたとするとその場合の料金は以下の通りとなります。

乗車券:鳥取~東京都区内(智頭急行経由) 11,660円 →①

特急券:鳥取~上郡(スーパーいなば)   1,820円 →②

    上郡~東京(サンライズソロ)   9,900円 →③

    上郡~東京(サンライズノビノビ) 3,830円 →④

 これらを合算するとB寝台ソロ(①+②+③)は23,380円でノビノビ座席(①+②+④)は17,310円となり、「東京片道きっぷ」の発売額と10円差でほぼ一致します。

サンライズソロ上段 2021/9/20

 鳥取~羽田間の早割の航空運賃が1万円切ることがあることを考えると、正直言って安くはないかなと感じます。ただ、「サンライズ」に空席があれば当日でも買えるのはメリットです。個人的に欲を言えばe5489で対応して首都圏発も発売して欲しいのと、ソロはどうしても狭くて圧迫感があるのでシングルでの設定も欲しいです。

使い勝手:★★☆☆☆

お得感:★★☆☆☆

当日発売:あり

小児用:なし