2023年7月以降利用分(3月31日権利確定分)よりJR九州の鉄道の株主優待制度が変わりました。以前の株主優待はJR他社と同様に管内の運賃・特急料金が片道5割引になる優待券が配布されていました。
現行の鉄道株主優待券では管内1日フリーきっぷ(日田彦山線BRTも利用可)になり、特急料金の割引がなくなりました。思い切って変えてきたなぁ...と感じるとともに、特急料金が定価で別払いとなることで特急列車に乗れば乗るほど費用がかさむ仕組みになったのはちょっと残念でした。
使用前の優待券です。何気にホログラムと透かしが入っています。使用開始時に✕印のところにチケッターを入れ右半分の濃い控券を切り取ります。
裏面に「特急券等の区間につきましては、JR九州の営業路線完結のものに限ります。」という結構重要な注意書きがあります。これは新大阪~鹿児島中央のように山陽新幹線との通しで九州新幹線の乗車券部分は優待券で利用しようとした場合、特急券は新大阪~博多と博多~鹿児島中央という具合に博多で打ち切る必要があるという意味です。博多で改札を出る必要まではないと思いますが、そういう使い方を想定している場合は特急券の買い方に注意が必要です。
「鉄道株主優待券」の下に「【非売品】本券の売買等はできません」という妙な表記があります。JR九州の株式を保有する機関投資家への優待券は名義管理の事務を請け負っている信託銀行を通じて市中の金券ショップに売却され、それが店頭に並んでいるというのが現実です。そもそも売買不可とする根拠が不明ですし今さら何を言っとるかという感じです。ちなみに、都内の金券ショップでは1枚2,000円程度で売っています。
今年2月に利用してきたものです。鹿児島線・伊集院駅のチケッターが入っています。川内駅から使用開始したんですが早朝で改札が無人だったためそのまま乗車し、伊集院駅で降りた際に改札でチケッターを入れてもらいました。
乗車券部分の利用結果は以下のような感じでした。
乗車区間 | 価格 | トータル |
---|---|---|
川内~伊集院 | 570円 | 11,180円 |
伊集院~鹿児島中央 | 380円 | |
鹿児島中央~霧島神宮 | 950円 | |
霧島神宮~国分 | 280円 | |
国分~指宿 | 1,680円 | |
指宿~北九州市内(折尾) | 7,320円 |
そんなにたくさん乗り降りしてませんが、JR九州は本州三社より運賃が高めなのと最後の長距離移動が効いたようでトータルで1万円を超えました。これが2,000円で仕入れた優待券で済めば約9,000円安く利用できていることになり、これはこれで悪くないかなと思ったりもしました。
それに伴って利用した新幹線・特急列車は以下のような感じでした。
利用区間・設備 | 価格 | トータル |
---|---|---|
鹿児島中央~霧島神宮(自由席) | 600円 | 7,700円 |
霧島神宮~国分(自由席) | 500円 | |
鹿児島中央~指宿(指定席・e5489) | 1,500円 | |
鹿児島中央~博多(指定席・EX予約) | 4,500円 | |
博多~折尾(自由席) | 600円 |
こうしてまとめてみると思ったよりかかってるなという印象です。e5489やEX予約のように特急券単体で購入できて割引が効くネット予約が使えると、指定料金程度は安く利用でき重宝します。
これが以前の片道5割引タイプの旧優待券であれば、片道で一番距離の長い紫の行程だけが5割引になります。鹿児島中央~博多間の正規の新幹線特急料金は5,230円なので、乗車券とトータルで6,500円ほど割引される計算でしょうか。これだったら現行の優待券の方がお得に利用できたことになります。
利用者にとって株主優待制度の変更に対しては抵抗のしようがないので、発想を転換してうまく使う方法を考えた方が得策です。これまで3回使ってみた感想としては、特急料金だけ払えば新幹線や特急列車にも乗れる九州限定の「青春18きっぷ」的な感覚で使えばいいのかなと思いました。
今日もこれから使いに行ってきます。