鹿児島線・長洲駅は熊本県長洲町にあります。特急「有明」が熊本まで走っていた頃は概ね1時間に1本停車していました。「有明」の本数が削減され通勤特急と化していた2014年3月~2018年3月の4年間は「有明」の始発・終着駅でもありました。
かつてはみどりの窓口がある業務委託駅でしたが、現在は長洲町が受託する簡易委託駅です。JR九州が2021年12月に管内29駅の無人化を発表した際には長洲駅は2022年3月に無人化される予定の駅の一つでした。
長洲町は長洲駅が町民の通学・通勤等の日常生活に欠かせない公共交通機関であり、利用者の安全・安心のため無人化は避けたいとして、2022年4月以降は町が簡易委託を受託しシルバー人材センターに再委託することで窓口を維持する方針としました。
長洲駅の無人化を取りやめて簡易委託化することは無人化実施直前の2022年3月10日にJR九州のプレスリリースにて発表されました。
無人化が回避されてめでたしめでたしなわけですが、結果的にJR九州が発表した方針がたった3ヶ月で覆っています。公に無人化の発表する前に地元に事前に説明はしなかったんですかね?駅の無人化は地元にとってはとりわけハレーションの大きい事象であるにも関わらず仕事のやり方が雑な気がします。JR東日本の京葉線快速減便問題に通じるものを感じます。
みどりの窓口があった頃はMR52型端末が設置されていました。無人化予定とのことだったので、チケッターも入れてもらったんですが劣化が進んでいて判別に困るぐらいボロボロでした。
簡易委託後の長洲駅です。窓口上のみどりの窓口のパネルは外されていますが、交通系ICカードのチャージにも対応したタッチパネル式の券売機はそのまま残っています。近距離のきっぷを買う分には窓口を利用する必要はありません。
窓口では金額式の常備券や補充券を発売しています。発売範囲は長洲駅から100Km以内の区間の片道・往復券です。
JR九州の簡易委託駅でマルス端末が設置されている駅はないのでマルス端末の撤去は予想できましたが、まさかの常備券への移行でした。マルス端末を撤去しE-POS端末に置き換えられた例も少数ありますが、いずれも業務委託駅だったのを思い出しました。
業務委託時代は1日7時間50分だった窓口営業時間は簡易委託後は平日11時間半、土休日8時間に延びています。きっぷの発売だけでなく集札や券売機のお守り、待合室やトイレなど駅全般の掃除も行うんだそうです。
こうして長洲町は税金を投じて無人化を回避し利用者へのサービス向上を図ったわけですが、市川大門のようなことがないよう無理しない範囲で頑張っていただければと思います。また近くを通ったら違う金額のきっぷを買ってみようと思っています。