はくば
◆種別:特急
◆区間:松本~白馬
特急「はくば」は松本~白馬間という60Km満たない区間で今年初めて設定された特急列車です。登山シーズンの7月~9月の土曜休日に全車指定席で運転されました。
下りの1号は「あずさ1号」の松本到着(09:38もしくは09:43)に合わせて09:48に松本を発車し、上りの2号は松本に14:43に到着し7分後に発車する「あずさ38号」に接続しました。土休日の大糸線直通の「あずさ」は人気が高いので、首都圏~大糸線沿線への補完列車という位置づけだった言えます。
車両は「あずさ」などで利用される松本車両センターのE353系で、3両の付属編成が使用されました。8両の基本編成だけで運用されることは珍しくないですが、「富士回遊」以外で3両の付属編成だけで運用されることは珍しいです。
8月10日と9月21日という2回の3連休初日で「はくば1号」の状況を見てみたんですが、「あずさ1号」が到着するとこの列車に乗り換える客が結構いて車内は6~7割埋まりまずまず盛況でした。松本から普通列車だと信濃大町まで約1時間、白馬まで2時間弱かかるので土休日の特急列車の需要はソコソコありそうです。個人的には車内販売が乗務していたことが驚きました。
「はくば1号」の特急券を手にしたとき、繁忙期とはいえ50Kmしないのに1,490円は高いなと思いました。大糸線の繁忙期の特急料金は列車によって以下の体系になっています。
繁忙期の特急料金
松本から | 豊科・穂高・信濃大町 (50Km以内) |
神城・白馬・南小谷 (100Km以内) |
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はくば | 指定席 | 1,490円 | 1,930円 |
あずさ | グリーン席 | 1,530円 | 1,790円 |
指定席 | 760円 | 1,020円 | |
しなの | 指定席 | 1,490円 | 1,930円 |
自由席 | 760円 | 1,200円 |
「あずさ」は全車指定席ですが着席サービス適用で通年同額の割安な特急料金が設定されています。「はくば」「しなの」は着席サービスは適用されずA特急料金に繁忙期加算で指定席だと「あずさ」の倍近い価格です。さらに51km以上100Km以内の区間だと「はくば」「しなの」の指定席は「あずさ」のグリーン席より割高になり料金が逆転します。そして「しなの」では自由席が選択できますが、「はくば」は全車指定席で選択の余地がありません。
ひとまとめに整理するとこんな感じですが、同じ区間を走る特急列車なのに料金体系はバラバラで時期によって変動もするわけですから、このへんに疎い人にはもうわけがわからないと思います。ここに挙げているきっぷは全部松本~信濃大町間のきっぷですが、価格も設備も全部まちまちです。
もし、「はくば」を来年の登山シーズンにも設定するならば、「あずさ」の補完列車として同じ料金体系にするのが好ましいと思います。
【補足:2024/10/22】
先日発表された冬臨では年末年始に松本~白馬間で2往復運転されるようです。