今年9月29日に松山駅が高架化開業しました。2009年に着手したものの土地の収用が難航し、結果15年かかりました。踏切が解消されることによって渋滞緩和や松山駅の東西の往来がしやすくなり、いろいろ活性化が期待されているところです。
松山駅と言えば1953(昭和28)年築の古びた平屋の駅舎に、昔ながらの有人の改札があってどこか懐かしい風景が漂っていました。
移転用地を確保するため、松山駅西側に広がっていた松山運転所を予讃線・北伊予駅付近に移転させ、その跡地に高架駅が建設されました。松山を訪れるのはせいぜい年に3~4回程度ですが、そのたびに少しずつ景色が変わっていて工事が着々と進んでいたのが実感できました。
松山駅の旧3番線から高架の松山駅を見た様子です。開業を翌日に控えた新駅舎の出入口が見えます。高架化後に旧駅舎や構内は撤去され、このあたりが東口となりバス乗り場やタクシー乗り場が設けられる予定です。富山駅みたいに市電が高架化された松山駅の直下に乗り入れる構想もあるようです。
高架化初日の旧駅の改札付近の様子です。一晩のうちに改札口が撤去されて平らになっています。アスファルトで舗装されているところに改札口がありました。発車案内の電光表示は「使用停止」の貼り紙がされています。
線路上は板で蓋がされホームと同じ高さで歩くことができます。柵が立てられていて旧駅のホームには立ち入りができなくなっていました。
旧駅の3番線の線路はスロープになり高架駅の東口へと連絡通路になっています。これから順次旧駅舎の取り壊し工事に入ると思われますが、当面はここが出入口となるようです。
天井には県産木材が使用されシックで落ち着いた雰囲気です。四国で同様に高架化された高知駅はコンクリートを多用し白を基調とした洗練されたデザインがどこか冷たさを感じさせましたが、こちらは木材のおかげか暖かみを感じます。
愛媛県のJR駅では初めて自動改札機が設置されました。全台が「スマえき」に対応しており、さらに1台は四国初の「スマえき」専用機(写真の一番左のピンクのもの)が導入されました。
かつて伊予鉄道の松山市駅で四国初の自動改札機が設置されましたが、きっぷ専用だったのが災いしICカードの普及に伴って利用頻度が落ち、2014年2月に撤去されています。なので、松山駅の自動改札機が愛媛県初というわけではありません。
券売機はこれまでの近距離券売機2台にみどりの券売機1台に加え、「みどりの券売機プラス」が追加で設置されました。発売箇所表記は「松山駅MVA」となっています。
みどりの窓口は2窓体制だったのは変わりませんでしたが、「みどりの券売機プラス」設置に伴ってみどりの窓口の営業時間が7:00~19:40に短縮され、その前後の時間帯は「みどりの券売機プラス」のオペレーター対応に委ねるという高松・徳島・高知と同様の体制になりました。
端末は駅舎移転に合わせてMR52型からMR52N型に置き換えられました。発売箇所表記は「松山MN-2」となっています。JR四国のMR52N型はMNという表記になるようです。「松山MN-2」で買ったきっぷは松山駅の真新しい自動改札機に通して実際に利用してきました。
高架化によって誕生した松山駅の西口が誕生し、松山駅を挟んだ東西の行き来が便利になりました。まだ土がむき出しの広い土地が広がっていましたが、松山市は運転所の跡地であるこの辺りにホールやアリーナのような集客拠点を造るんだそうです。今後の発展に期待したいところです。