JR東日本は今年5月から「JRE BANK」という銀行サービスを開始しました。これはJR東日本が銀行業の免許を取得して開業したというわけではなく、楽天銀行が外部企業向けに提供するインターネットバンキングの仕組みを利用し、JR東日本(正式には子会社の「ビューカード」)が銀行代理業者として疑似的に銀行サービスを提供するというものです。
なので、口座を開設する先は楽天銀行となり、支店は「JREはやぶさ支店」という具合に「JRE BANK」向け専用に用意された「JRE〇〇支店」という10支店のいずれかになります。〇〇は列車の愛称で、利用者が選ぶことはできず勝手に割り振られます。私は「やまびこ」「ひたち」「あずさ」のいずれかが良かったんですが、あいにく「はやぶさ」が割り振られました。
口座を開設するとキャッシュカード兼デビットカードが送られてきます。ブランドはJCBのみです。また、楽天銀行の仕組みを利用しているせいかSuica機能がありません。
現金の出し入れはJR東日本の駅に設置されているATM「VIEW ALTTE」のほか、コンビニや提携金融機関のATMでできます。「VIEW ALTTE」は回数制限なくいつでも無手数料で利用できるので、日常的にJR東日本を利用する人には便利だと思います。
振込や残高照会などの銀行取引はアプリで行います。デビットカードや銀行取引の利用でJREポイントが貯まったり、預かり資産やVIEWカード利用料金の引き落とし有無によってJR東日本が用意する特典が受けられます。
その特典の一つとしてJR東日本の営業路線が片道4割引となる「JRE BANK優待割引券」というものがあります。これを貰うには年2回(6月と12月)の判定日時点で以下の条件を満たす必要があります。
資産残高 | VIEWカード利用料金の 引き落とし |
給与・年金等の受け取り |
---|---|---|
300万円以上 | 2枚 | 3枚 |
50万円以上 | 1枚 | 2枚 |
※これらの条件を満たさない16歳~24歳で資産残高が20万円以上であれば1枚
条件は重複適用できるので仮に資産300万円以上で判定期間中にVIEWカードの引き落としと給与の受け取りが1回でもある場合5枚貰えます。年2回判定日があるので年間最大10枚貰える計算です。この条件が厳しいと感じるか容易いと感じるかは人それぞれかと思いますが、年間最大10枚貰えるというのは魅力的です。
ここからがようやく本題です。きっぷヲタとして「JRE BANK優待」で購入したきっぷがどんな感じになるのか大変気になっていました。「JRE BANK優待」と株主優待割引との違いは紙の割引証が発行されるか否かと優待の有効期限ぐらいです。
「JRE BANK優待」は登録されたメールあてに優待券番号とパスワードが送られてきます。それを「えきねっと」のマイページ内の下の方にある各種設定>「株主/JRE BANK優待割引券番号の事前登録」というところに登録しておくと、いちいちメールを探す必要もなく予約の際に便利です。ちなみに「えきねっと」を利用しないでも指定席券売機でも利用できるようです。
そして「JRE BANK優待」で購入した結果はこうなりました。
右下に「東-優4割53」という株主優待割引と同じ印字がされ、「JRE BANK優待」とは判別がつなかい状態です。株主優待であれ「JRE BANK優待」であれ4割引の優待適用の場合には一律「東-優4割53」という印字にしてしまったのかもしれません。
そして以前試した「新幹線eチケット」と株主優待割引の組み合わせに続き、「JRE BANK優待」との組み合わせも試してみました。
きっぷの最上部に[新幹線eチケット(東優40)]と印字されています。昨年末株主優待で試したときは(株優40)でしたが、「JRE BANK優待」が始まってから(東優40)に一本化されたのかもしれません。そこのところは別の機会に株主優待で検証してみるつもりです。
「JRE BANK優待」のきっぷがどうなるか気になっていたんですが、個人の趣味的には株主優待割引と変わりがなくてがっかりでした。ただ、「JRE BANK優待」が4割引きで年間最大10回利用できるというおいしすぎる特典を未来永劫続けるとも思えないので、今後割引の効力が変わるようなことがあればちょっと期待(?)かなと思っています。
【年末ですね】
今年の記事はこれで終わりです。今年は一年を通じて行動制限が完全になくなり、旅行することに何の制約もなくなりましたが、ホテルや交通機関などの旅行関連は去年に引き続きひたすら値上げラッシュでした。
JRグループでも今年は乗継割引がなくなり、再来年には往復割引もなくなる予定で、個社レベルでも細々とした値上げにトクトクきっぷの廃止・縮小が行われました。
コロナ禍の頃、この業界は旅行支援と称して多額の支援を受けてきたはずです。物価高や人手不足の要因はあれど、利用者の側からするとコロナ禍が終息すると途端に回収モードに入るこの仕打ちは一体何なんだろうかと愚痴りたくもなります。
そんな思いから今年の夏あたりからコロナ禍で発売されていたJR各社の「神きっぷ」の特集をまとめています。コロナ禍が戻ってきてほしいとは微塵も思いませんが、こんなきっぷあったねと思い出す契機になれば幸いです。いちおう年内アップの目標です。
(追記)
元旦の夕方に完成しましたので以下にアップします。右側の「雑多」の方にもリンクがあります。