JR線では身体障害者・知的障害者・精神障害者が一定の条件を満たした場合、運賃が割引になる制度があります。往復割引は適用されず、特急料金やグリーン料金は割引になりません(余談ですが普通急行券は割引対象になります)。
運賃の割引を受けるには購入時に自治体で発行する以下の障害者手帳の提示が必要です。有人窓口のほかオペレーター対応の「アシストマルス」でも購入できます。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者手帳
療育手帳とは知的障害者向けの障害者手帳です。手帳を発行する自治体によって「療育手帳」以外の名称を使う場合があるようです。マイナンバーと連携した障害者手帳アプリ「ミライロID」の提示でも可能です。
JR線の普通運賃が割引になる条件は以下の2パターンです。障害種別に1種と2種があり1種の方が重い障害です。
- 1種・2種障害者本人が単独で100Km以上の区間を乗車する場合
- 1種障害者本人と介護者が乗車する場合
1種障害者が介護者なしで単独利用する場合は100km以上乗車しないと割引になりません。2番目の条件で1種障害者本人と介護者が乗車する場合は本人と介護者の両方に割引が適用され、距離の条件はありません。
きっぷの券面への割引の表記は以下のようになります。
身体障害者 | 知的障害者 | 精神障害者 | |
---|---|---|---|
1種2種本人単独で100Km以上 | 身割 | 療割 | 健割 |
1種介護付きの本人 | 障割 | 育割 | 福割 |
1種介護付きの介護者 | 介割 | 護割 | 付割 |
私は今までこの辺りの区別がついておらずごっちゃになっていたので、今回の記事を機に調べて改めて整理してみました。タイトルの「身割・障割・介割」は見ての通り身体障害者向けの割引です。
こちらが身体障害者割引適用の身割・障割・介割の乗車券です。購入時だけでなく旅行中も障害者手帳の携帯が必要なため、「手帳を携帯して下さい」という印字があります。
身体障害者割引の2006年ぐらいまではこんな感じで大きく割引が表記されているだけでした。2007年あたりから上のような表記になっています。個人的には割引の表記は旧表記のままで、手帳携帯の旨は有効期限の下あたりに印字した方が全体的な視認性がいいと思います。
障害者の割引はこれまで長い間身体障害者・知的障害者が対象でしたが、今年4月から精神障害者も割引の対象となりました。障害者団体が精神障害者も対象に加えるよう要望していたものがこのタイミングで実現したものです。
鉄道会社の障害者割引による減収分はてっきり国が補填してるのかと思っていましたが、実は事業者側の負担で賄っているんだそうです。事業者側にとってはその分減収になるわけですから割引の拡充に消極的になるのは仕方がないところです。こういうところは国が障害者福祉施策の一環として補填すべきだと思います。
近年では事前登録することで「えきねっと」・e5489といったインターネット予約で特急券と同時に障害者割引の乗車券が買えたり、交通系ICカードできっぷを購入することなく利用できたりするなど、利用しやすくする取り組みも進んでいるようです。
きっぷヲタとして今年4月から始まった精神障害者の割引のきっぷが欲しいなと思うところですが、障害者の割引のきっぷはツテがないと集めるのが難しいなと感じています。ここにインターネット予約を絡めるとさらに難易度が上がりますが、何とか時間をかけて気長に集めていきたいところです。(独り言)