今年3月のダイヤ改正から中央快速線・青梅線(以下「中央線」とひとまとめにします)の東京~大月・青梅間でグリーン車サービスが始まりました。2015年2月に中央線へのグリーン車導入の発表されていましたが、その時から実に10年経って実現しました。
当初は2020年度開始予定としていましたが、グリーン車の製造と既存編成の改造に加え、グリーン車増結に伴うホーム延長工事や駅や車両基地の改良工事などでここまで延びました。
グリーン車の連結は昨年10月から順次始まり、東海道線など他路線と同様に4・5号車に組み込まれ、これにより中央線は10両編成から12両編成になりました。一部グリーン車が組み込まれなかった編成については他路線へ転用されるようです。
中央線のグリーン車で特徴的なのが短い停車時間で乗降がスムーズにできるよう、両開きドアが導入されたことです。他の路線ではみな片開きです。内装や座席は総武快速線のE235系そっくりで、全座席にコンセントが付いているのがいかにも今風です。
首都圏のBグリーン料金は改札を出ず逆方向に乗り継がなければ路線を跨っても通しで料金計算します。しかし、今回導入された中央線については他路線への直通運転がないためか通しでのグリーン料金の計算はせず、中央線・青梅線内で完結の料金となります。
例えば八王子~東京~千葉という乗り継ぎでグリーン車を利用した場合、八王子〜千葉というグリーン券一枚での通し利用はできず、八王子~東京と東京~千葉でそれぞれグリーン券が必要になります。これについては中央線だけがちょっと不利になっているように感じます。
Bグリーン料金は以下の通りとなります。
Suica料金 | きっぷの料金 | |
---|---|---|
50Km以内 | 750円 | 1,010円 |
51km以上100Km以内 | 1,000円 | 1,260円 |
50Km以内の範囲は東京からだと西八王子・羽村まで、新宿からだと高尾・青梅まで、立川からだと猿橋・青梅までという感じになります。八王子から中央線内は全駅50Km以内に収まります。中央線内で完結する場合は101Km以上の料金はありません。
私がダイヤ改正翌日に乗車しました。必要数の確保が心配されていた(?)グリーンアテンダントはちゃんと乗務していました(まぁサービス始まったばかりですからね)。チケッターの区所は「J-Creation」となっていて、所在地がどこかまでは分かりません。どうやら立川にあるらしいですが。
なお、昨年10月から今年3月のダイヤ改正まではお試し期間としてグリーン料金不要で乗車できましたが、その期間には乗る機会がなくて有料化と同時に初利用となりました。その時はかなり混みあったと聞いていましたが、私が利用した際は休日の昼間の列車だったせいもあり、鉄ヲタが数人いたぐらいはほとんど客はいませんでした。それ以来乗る機会がないので、普段の利用状況がどの程度か気になるところです。
個人的にちょっと気になったのは、グリーン車導入の代替として平日朝晩の通勤時間帯に運転されていた特急「はちおうじ」・「おうめ」を廃止してしまったことでした。
「はちおうじ」・「おうめ」は前身のライナー時代から続く確実に着席できる列車でしたが、グリーン車は早い者勝ちなので確実に着席できる手段ではありません。混雑時間帯だったり途中駅から利用する場合は座れないことが普通にあります。
確実に着席して利用したいというニーズは少なからずあるはずなのに、グリーン車でそのニーズを代替できるんだろうか?と思っています。せめて一年ぐらいはグリーン車と並行運用してみて、廃止しても大丈夫という感触を得てから廃止しても遅くなかったんじゃないかという気がしています。