続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

道内特急全車指定席化へ

 4月1日にJR北海道の「令和7年度事業計画」が発表されました。それによると令和7年度(2025年度)中に旭川方面の特急列車も全車指定席化することが明記されていました。来年3月のダイヤ改正のタイミングで実施されると思われます。

カムイ30号:旭川駅 2024/7/26

オホーツク1号:札幌駅 2024/7/27

 昨年3月のダイヤ改正で特急「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」が全車指定席化されており、さらなる増収を目指すべく残る「ライラック」「カムイ」「宗谷」「サロベツ」「オホーツク」でも導入するとのことです。これで道内の特急列車が全車指定席化されます。

25Km以内の特急料金

 道内の特急料金は短距離の利用を想定して25Km以内320円、50Km以内630円という割安な区分があります。普通列車の本数が少ないところは特急列車が代替していた部分があり、そのため割安な特急料金が設定されていました。これが全車指定席化されると530円の指定料金が加算され320円から850円になり2.5倍以上の値上げになります。

自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)

 全車指定席化に伴って国鉄時代より発売されていた特急自由席の往復割引きっぷである「Sきっぷ」は廃止されることになります。指定席用の「Rきっぷ」については残るかもしれませんが、「えきねっと」の「トクだ値」に移行し廃止される可能性の方が高いと思っています。

常備の自由席特急券

 あと、趣味的には道内の一部の簡易委託駅で発売されているクーポンサイズのピンク地の常備の自由席特急券はなくなります。現在、全国でもこのタイプの在来線の自由席特急券を売っているのは確かJR北海道だけだと思ったので、JRグループからなくなることになるかもしれません。


www.imadegawa075.net

 昨年3月のダイヤ改正で全車指定席化された列車については、「えきねっと」の「トクだ値14・1」にて需給によって価格変動させるイールドマネジメントが導入されています。

 イールドマネジメントとは簡単に言うと利益の最大化を目的として供給側が自由に価格変動させる仕組みです。需要の少ない時期は安く売るとのことですが、その基準やタイミングは利用者側には知り得ないという情報格差があるので、とにかく供給側がほぼ一方的に有利な仕組みだと思っています。

 飛行機の世界ではだいぶ前から導入されていて、最近ではプロ野球の半数程度の球団の主催試合でも導入されています。

某球団のスタジアム 2025/4/15

 4月に今年からイールドマネジメントを導入したプロ野球の某球団の主催試合を見に行きました。以前は平日のナイターでも熱心なファンが外野席を埋めていたんですが、その日はやけに空席が目立ちそれが試合終了まで埋まりませんでした。天気は快晴で暑くも寒くもなく、そのチームも当時は上位で善戦していたのでどうしたんだろうな?と思っていました。

 後にイールドマネジメントによって外野席の料金が高騰し、従来球場に足を運んでいたファンが来づらくなっているという話を聞きました。球団は来場者数が減っても去年並みの利益の確保はできているのかもしれませんが、来場者数が減ることが長期的に見て好ましいとは言えません。

 イールドマネジメントは利用客側から見て価格設定がブラックボックス化されるので、それに嫌気が差した客が離反するリスクも相応に高いと思います。JR北海道や九州がイールドマネジメントシステムの推進に熱心ですが、目先の短期的な儲けは増やせても、後で必ず副作用が出てくると思っています。