「Sきっぷ」とは国鉄時代から発売されている近距離の特急・急行の自由席利用タイプの往復割引きっぷです。それに対し指定席用は「Rきっぷ」と称して区別していました。
「指定席Sきっぷ」はJR四国管内で発売されている特急指定席利用タイプの往復割引きっぷです。そもそも「Sきっぷ」が自由席用なのに、「指定席Sきっぷ」とはこれいかに...というのが第一印象でした。
おそらくですが、四国では特急の往復割引きっぷ=「Sきっぷ」ということが広く浸透してしまったために、指定席用の往復割引きっぷを設定するにあたり原則通り「Rきっぷ」とするよりは分かりやすさを優先し「指定席Sきっぷ」としたんじゃないかなと推測しています。
設定区間は以下の県庁所在地駅発着の19区間です。
発着駅 | 設定数 | 設定区間 |
---|---|---|
高松 | 6区間 | 観音寺、川之江、伊予三島、新居浜、伊予西条、徳島※ |
松山 | 10区間 | 川之江、伊予三島、新居浜、伊予西条、壬生川、今治 内子、伊予大洲、八幡浜、伊予吉田、宇和島 |
徳島 | 2区間 | 阿波池田、高松※ |
高知 | 2区間 | 須崎、窪川 |
※高松~徳島間は重複
全部で19区間のうち高松・松山発着が16区間です。しかも高松発着のうち5区間は観音寺~伊予西条間の特急停車駅で、松山発着の10区間は川之江~宇和島間の特急停車駅(伊予北条・伊予市を除く)で、予讃線を主体とした往復割引きっぷと言えます。
予讃線の主要区間で価格の比較をしてみます。
区間 | 正規料金 | 指定席Sきっぷ | 割引率 |
---|---|---|---|
高松~観音寺 | 5,940円 | 5,020円 | 20.5% |
高松~伊予三島 | 6,740円 | 5,800円 | 14.0% |
高松~伊予西条 | 9,400円 | 8,380円 | 14.0% |
松山~伊予西条 | 7,120円 | 6,160円 | 17.7% |
松山~今治 | 4,740円 | 3,860円 | 24.9% |
松山~八幡浜 | 6,320円 | 5,380円 | 19.6% |
松山~宇和島 | 7,480円 | 6,520円 | 16.8% |
割引率は10~20%程度であまり高くないです。「指定席Sきっぷ」の設定がある区間は「指定席Sきっぷ」より300円安い「Sきっぷ」が設定されています。「Sきっぷ」は「ザ・席(券)」(320円~)を買い足すことで指定席利用ができますが、片道でも指定席を利用する場合は最初から「指定席Sきっぷ」を利用した方が安上がりです。
昨年9月に利用してきた「指定席Sきっぷ」です。松山~内子間は指定席の往復利用で4,280円(通常期)のところ、「指定席Sきっぷ」は3,480円で約19%割引になっています。こんな50Km満たない短い区間で800円安くなるなら悪くないなと感じました。
「指定席Sきっぷ」は昨年4月利用分からe5489でも取り扱いを開始し、e5489の中で指定席の予約もできます。実はこのきっぷの存在を知らずにe5489で予約しようとしていたところ、「指定席Sきっぷ」が候補として表示されたので収集目的で購入した次第です。
最近「Sきっぷ」が少しずつ値上げされているので、よくよく見たら「eチケットレス特急券」を往復で買った方が安かったんですけどね。