今年7月におよそ10年ぶりに気仙沼線BRTに乗車しました。線路を撤去したBRT専用道が以前より延びていたり、気仙沼線全線をバスで運行する前谷地発着の便やフルカラーLEDの行先表示を搭載した車両が登場していたりとしばらく乗らないうちにだいぶ変わったなと感じました。



震災前にも泊まったことのある南気仙沼駅近くのホテルに十数年ぶりに泊まったので、震災以来初めて南気仙沼駅を利用しました。鉄道が走っていた頃は業務委託の有人駅でしたが、待合室とホームを備えただけの無人駅になっていました。

気仙沼から戻る道すがらに志津川駅で途中下車しました。道の駅のバスターミナル脇にガラス張りの立派な建物が建っていました。なにぶん志津川で降りたのは2013年1月以来12年半ぶりであまりの変貌ぶりにびっくりしました。

志津川駅は2012年8月にBRTでの仮復旧した際から以下のように3回移転して現在地に落ち着いています。
| 期間 | 所在地 | |
|---|---|---|
| 初代 | 2012/8/20~2012/12/21 | 鉄道駅と同じ場所 |
| 2代目 | 2012/12/21~2017/3/2 | 仮設の南三陸さんさん商店街(南三陸消防署跡地) |
| 3代目 | 2017/3/3~2022/9/30 | 移転した南三陸さんさん商店街隣接地 |
| 4代目 | 2022/10/1~現在 | 道の駅さんさん南三陸 |
初代はたった4ヶ月でしたが、2代目と3代目は復興に合わせて5年サイクルで移転し、4代目でようやく安住の地を見つけた感じです。

BRT志津川駅は南三陸町観光協会が受託する簡易委託駅です。観光案内所と同じ窓口できっぷの発売をしていますが、営業時間は異なっていてきっぷの販売は9:00~16:30で13時~14時は昼休みになっています。


窓口ではPOS端末によるきっぷの発売を行っています。鉄道時代からPOS端末でした。上のBRT単独区間も下の鉄道区間だけの乗車券のいずれも購入できます。
BRT化された後も志津川駅以外に柳津駅や本吉駅でもPOS端末によるきっぷの発売を行っていましたが、柳津駅は2022年3月末で本吉駅は今年1月で簡易委託を解除しきっぷの発売は行わなくなっています。なので、BRT単独区間のPOS端末券を購入できるのは志津川駅だけになっています。


志津川駅の駅舎の建物の隣には震災伝承施設の「南三陸311メモリアル」も建っています。道の駅の隣接地は震災復興祈念公園があり、津波による被害で築堤とホームだけになってしまった志津川駅や、建物の外壁の骨組みだけ晒す南三陸町防災庁舎が震災遺構として保存されています。もし、志津川駅に行くことがあればそのへんも見てみてはいかがでしょうか。