3月のダイヤ改正でJR北海道の在来線特急が全車指定席化されたことに合わせて、駅で発売していた往復の乗車券+自由席特急券がセットになった「Sきっぷ」が発売終了し、「えきねっと」の「特急トクだ値1(14)」と「在来線チケットレス特急券(トク割)」に移行しました。
両者の違いはざっくり表にまとめると以下の通りです。
| 特急トクだ値1 | 在来線チケットレス 特急券(トク割) |
|
|---|---|---|
| 設定区間 | 道内全特急の主要区間 | 札幌~苫小牧・旭川間の 10区間 |
| 発売形態 | 乗車券と同一区間の特急券がセット | 特急券のみ (乗車券は別途必要) |
| 割引率 | 10~55% | 10~35% |
| 購入期限 | 前日まで | 当日可 |
| 乗り遅れ時 | 乗車券のみ有効 | 無効 |
「特急トクだ値1」は乗車券と同一区間の特急券がセットになったタイプで札幌発着を中心に主要駅区間の設定がありますが、「トク割」は交通系ICカードと併用する前提(もちろん紙の乗車券との併用も可)なので、Kitaca利用エリア内の10区間しか設定がありません。
いずれも割引率は区間によってまちまちで、さらに空席予測を基に変動させています。なので早く買えば確実に安いというわけではなく、後から安くなる場合もあるそうです。また、1ヶ月前の発売初日すぐに買っても最安値で買えるとも限りません(実験済み)。
とにかく「Sきっぷ」のように予め価格を明示することなく、利用客に対しては完全にブラックボックス化され、供給側が自由に調整できる航空運賃に近い売り方になっています。

これまで40年以上広く利用されていた「Sきっぷ」が発売終了し「えきねっと」に移行して売り方が大きく変わるため、特急停車駅では「えきねっと」を周知するコーナーが設置されていたり、チラシが置かれていたりして周知に努めているようでした。

こちらは旭川駅の案内ボードで見つけた料金例です。これを見て「うーーーーーん」とちょっと考え込んでしまいました。こんな制度にしてしまって従来の利用客が納得するんだろうか?他の交通機関に流出する恐れは考えなかったのか?と。
前提として札幌~旭川間は利用客が多く列車の本数も多いため、「特急トクだ値1」は20~55%まで、「トク割」は10~35%までと幅広い設定があります。ボードに記載されていた料金の詳細は以下の通りとなっています。
札幌~旭川間の料金比較
| 合計 | 内訳 | 購入期限 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 運賃 | 特急料金 | ||||
| 正規料金 | 5,440円 | 3,080円 | 2,360円 | 当日可 | |
| 特急トクだ値1 | 55%引き | 2,440円 | 1,380円 | 1,060円 | 前日まで |
| 50%引き | 2,720円 | 1,540円 | 1,180円 | ||
| 45%引き | 2,980円 | 1,690円 | 1,290円 | ||
| 40%引き | 3,250円 | 1,840円 | 1,410円 | ||
| 35%引き | 3,530円 | 2,000円 | 1,530円 | ||
| 30%引き | 3,800円 | 2,150円 | 1,650円 | ||
| 25%引き | 4,080円 | 2,310円 | 1,770円 | ||
| 20%引き | 4,340円 | 2,460円 | 1,880円 | ||
| 在来線チケットレス 特急券(トク割) |
35%引き | 4,610円 | 3,080円 | 1,530円 | 当日可 |
| 30%引き | 4,730円 | 1,650円 | |||
| 25%引き | 4,850円 | 1,770円 | |||
| 20%引き | 4,960円 | 1,880円 | |||
| 15%引き | 5,080円 | 2,000円 | |||
| 10%引き | 5,200円 | 2,120円 | |||
| Sきっぷ+指定料金券(発売終了) | 3,550円 | ― | 当日可 | ||
前日までに予定を確定させて予約をすれば「特急トクだ値1」が2,440円~4,340円で購入できる可能性がありますが、「特急トクだ値1」が売り切れていたり、当日まで予定を確定させられなかったり、当日に購入したりする場合には最安でも「トク割」35%引きの4,610円からスタートになります。
「Sきっぷ」は往復利用が前提ですが当日購入できて片道あたり3,550円でした。ビジネスでもレジャーでも事前に予定を決められないことなんていっぱいあります。なのに、前日までに予定を確定させて予約をしなければこれだけ高くなってしまう料金制度なんて気軽に使えないですし、もはやペナルティでしかないなと感じました。
個人的には特急の全車指定席化と「Sきっぷ」の発売終了を同時にやるのは拙速で乱暴だと思っています。ネット予約の利用を推進し増収を目指すにしても、「Sきっぷ」をネット予約の低めの割引率の価格(札幌~旭川間だったら往復8,000円程度)まで値上げしたうえで併売し、ネット予約への移行が進んだのを見極めてから発売終了した方が良かったと思います。
また、往復利用を確約してくれる利用客に対する割引が一切なくなったのも違和感があります。普通乗車券の往復割引廃止もそうですが、最近のJRグループは往復利用してくれる利用客を軽視しすぎだと感じます。


何しに行ったかバレバレですがダイヤ改正後に利用した「特急トクだ値1」です。55%引きで確保できているので「Sきっぷ+指定料金券」の価格より安くなっています。週の半ばの平日の予約を4週間前に入れて運良く取れただけで、出遅れていたらもっと高くなっていたはずです。

深川発着を含む札幌~旭川間の「特急トクだ値1」はダイヤ改正前までは「ライラック」「カムイ」だけの設定でしたが、今回のダイヤ改正後からは「宗谷」「オホーツク」も利用できるようになっています。これは今回のダイヤ改正における数少ない改善点だったと思っています。ちなみにダイヤ改正前まで自由席だった「宗谷」4号車の指定席はガラガラでした。