続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

お一人様限定

カシオペアひとり利用券

 私は今でこそ人を連れて行く旅行もするようになりましたが、基本的にお一人様派です。大学進学で実家を離れて以来ソコソコの年数を一人暮らししてきたので、お一人様は「寂しい」と言うよりは「気兼ねせずに気楽♪」という思いのほうが強いです。自分ひとりなので無茶苦茶なプランも組めますし、ホテルも雨露しのげればさほど不満はありません。それで呆れられることはあっても、誰にも文句を言われません。

 しかし、この国はお一人様の旅行に冷たい感じがします。採算性の問題と言われてしまえば何の反論もできませんが、価格・内容とも良さ気な旅行会社のパックはだいたい「2名様から」となっていますし、JRのきっぷでも2人以上同一行程という条件付のものもあります。特にJR西日本で多いですが…。そんな中、逆にお一人様専用のきっぷもあります。

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 この「カシオペアひとり利用券」はその名のとおり寝台特急カシオペアの2人用個室寝台が一人利用できるきっぷです。別途無割引の乗車券が必要になります。このきっぷ一枚で特急料金と寝台料金が込みになっていて、指定券が別に付いてきます。毎年だいたい1月から4月のGW前まで設定され、乗車日の14日前から当日発車時刻前までカシオペアツインに空席があれば発売しています。札幌→上野間の上り列車のみの設定で、下り(上野→札幌)の設定は今はありません(かつてはありました)。発売は北海道内の駅や旅行会社に限られ、本州のJR北海道プラザでは発売しません。

 「カシオペア」は全て2人用個室寝台です。通常、2人用個室寝台を一人で利用するには乗る人の乗車券・特急券・寝台券が必要になる他に、乗らない一人分の小児の特急券・寝台券が必要となりますが、「カシオペアひとり利用券」はそれが不要になります。札幌~上野間で利用した比較をしてみます。

<大人1人・小児1人無割引利用>

乗車券 :16080円
特急料金:2890円+1440円=4330円
寝台料金(カシオペアツイン):26700円          合計:47110円

<「カシオペアひとり利用券」で大人1人利用>

乗車券:16080円
「ひとり利用券」:19800円                  合計:35880円

<参考:大人2人利用>

乗車券:16080円
特急料金:2980円
寝台料金:13350円(カシオペアツイン1人あたり)    合計:32410円

 こんな具合に1万円以上安くなります。大人2人利用と比べても3470円加算なので、一人旅だけど「カシオペア」に乗ってみたいという状況になれば使わない手はないでしょう。

 このきっぷは私が去年の札幌出張の帰りに使ったものです。発売時には乗車券の呈示を求められました。さすがに会社に「カシオペア」の交通費を請求するとブッ飛ばされますから、会社には「北斗星」B寝台の交通費を請求し、差額の約1万円は自己負担にしました。出張時の自己負担に対する考え方は人それぞれですが、私は「1万円で『カシオペア』に乗れるのはオイシイ」と感じました。

【ひとこと】

 「カシオペア」は上り列車より下り列車の方が指定を取りにくい傾向があります。冬場の閑散期に多少席の余裕がある上り列車を空室で走らせるよりは、1人客を取り込んで埋めてしまおうという思惑があると思われます。

 今年はなかなかJR北海道のHPで発表されなかったので、発売されるのかどうか気になりましたが、今年も4月21日まで発売されます。設定区間が「札幌→上野」しかなく、内方乗車(例:函館→大宮など)が可能かどうかや併用する乗車券が学割や往復割引適用でも大丈夫かといった細々としたことついてはHPだけでは読み取れないので、実際に使われる方は駅や案内センターで予め確認されることをお勧めします。

使い勝手…★★★★☆

お得感…★★★★★

当日発売…あり

小児用…なし

【補足:15/7/5】

 ここ数年発売した実績がないので、発売終了扱いとしカテゴリーを追加しています。