続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ。今年で15周年を迎えました。

ふるさと行きの乗車券(新潟・庄内)

ふるさと行きの乗車券(新潟・庄内)

 JR東日本が暮れの帰省用に発売した往復型・前売り限定のトクトクきっぷです。キャッチコピーには「早めの購入で帰省がおトクになるきっぷ『ふるさと行きの乗車券で、あなたの帰省を応援します」とあります。乗車券部分だけなので、新幹線や特急列車を利用する場合には特急券等が必要になります。大人・小児用以外にも学割が設定されているのが面白いところです。

 あまりに直球ストレートな名前だったので、最初にこの名前を聞いたとき冗談かと思いました。「乗車券」と敢えて強調することによって、特急料金が含まれないことを強調したかったのかもしれません。インターネット予約が大好きなJR東日本が、「えきねっと」予約専用きっぷにしなかったのは奇異な印象を受けました。利用開始日は12月26日~1月2日からですが、発売は12月20日で終了しています。このきっぷを提示し、東京・上野・大宮駅のNREの売店で1000円以上の弁当を購入するとお茶が付いたり、新幹線車内販売のコーヒーが割引になったりと小さな優待もありました。

P0130 (ゆき)

P0131 (かえり)

 帰省用と称する割に出発地は東京都区内か大宮~川口・戸田公園間の2つしかありません。趣旨からすると、横浜や千葉などもう何箇所かあって然るべきです。着地は7エリアに分けられ、有効日数はすべて7日間固定で設定されました。

 着地を単駅にしてしまうと煩雑になってわかりにくくなってしまうので、ある程度広いエリアにしたのは理解できます。しかし、きっぷに地図が印字されているのでフリーきっぷと混同する人は少なからずいると思います。窓口で購入すれば係員が一言声かけすることによって注意喚起になりますが、商品の内容をロクに理解しないで「指定席券売機」で購入してしまうと以前の「西日本パス」のようなくだらないトラブルが起こる感はします。

 私が使ってきた「新潟・庄内エリア」の着地エリアは以下の範囲内です。宮内以北はJR東日本新潟支社の営業エリアと概ね一致します。

 経由は上越線(新幹線を含む)、上越線ほくほく線が選べました。庄内エリアだと山形新幹線陸羽西線経由も想定できるんですが、このきっぷでは選択できませんでした。大宮駅を基点として主要駅までの往復運賃を比較すると以下のような感じです。

  • 新潟(上越線経由)…10500円(学割:8400円、小児5240円)
  • 長岡(上越線経由)…8620円(学割:6880円、小児4300円)
  • 直江津ほくほく線経由)…8420円(学割:7100円、小児:4220円)
  • 村上(白新・羽越線経由)…12180円(学割:9740円、小児6080円)
  • 酒田(白新・羽越線経由)…14700円(学割:11760円、小児7340円)

 これらすべてが7700円(学割:6500円、小児:3000円)で済んでしまいます。大宮から一番近い長岡着であれば920円安ですが、一番遠い酒田着になると約半額になります。ただし、併用する特急券等は無割引のもの(乗継割引と「えきねっと」割引はOK)という制限は付きました。私は帰省で使う用事はなく、酒田までの週末旅行の往復に使いました。

 「正月パス」を潰してこんなきっぷを発売したのはもちろん1000円高速道路対策です。報道によるとこのきっぷの売れ行きは好調とのことですが、それが高速道路からシェアを奪ったからなのか、高速道路に関係なく正規運賃で乗ってくれる客がこのきっぷに流れたのかがわからないため、まだ手放しでは喜べないと思います。このきっぷの売れ行きを見て、今後の方向性を決めていくんだと思います。

 今年は景気が良くない上に、曜日の配列が最悪なので相当な落ち込みは覚悟しないといけないでしょう。1000円高速道路という魔物にJR各社は苦慮しているなぁと感じます。いろいろと試行錯誤することはいいことだと思います。ただ、帰省というと首都圏→地方という流れがほとんどですが、逆の流れもあります。身近で見ても、私が進学した仙台の大学には東北出身者と同じぐらい首都圏出身者が多くいましたし、今の会社では東京を離れ地方へ単身赴任している人も少なからずいます。このきっぷは東京の視点でしか考えられておらず、趣旨と実態がやや乖離しているように思いました。

2009年はこの記事で終わりです。何とかペースを守って更新することができました。一年間お付き合いいただきありがとうございました。新年は1月2日からの更新です。5年目の冬に突入します。