おんせん県おおいたにちりん号
◆種別:特急
◆区間:小倉~大分
今年7月~9月にかけてJRグループで大分県の観光キャンペーンである「おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーン」(以下「大分DC」)が開催されました。
「おんせん県」とは大分県の温泉湧出量・源泉数が日本一であることから、大分県が「おんせん県おおいた」みたいな感じで使用しているフレーズです。3年前に大分県が商標登録したそうです。ただ、日本国内には各地に温泉が湧出しているのに、大分県が商標登録までして独占的に「おんせん県」と称することについて、困惑する向きはあるようです(大分県は独占する意図はないとしていますが、商標登録していますから何かしら使用に制限がかかると考えるのが自然です)。
(2015年夏版「JTB小さな時刻表」より)
「大分DC」の期間中の土日に大分県へアクセスする臨時列車として小倉~大分間で特急「おんせん県おおいたにちりん」を 運行しました。大分へ向かう下りは土曜、大分から帰る上りは日曜に運転されました。
小倉 中津 別府 大分
83号 11:45 → 12:23 → 13:08 → 13:19
94号 17:17 ← 16:43 ← 15:56 ← 15:47
号数は下りが83号、上りが94号とおかしなことになっています。これはこの区間で全く同じダイヤで臨時列車として設定されている「にちりん」の号数を合わせたものです。上り列車の場合だと、8月7~16日は同ダイヤで「にちりん94号」として運転されています。なので、臨時「にちりん」と「おんせん県おおいたにちりん」という具合に別列車として運転される意味が分かりませんでした。
しかし、きっぷヲタとしてきっぷに印字される列車名がどうなるのか興味があったので、九州行くついでに乗ってきました。
その結果です。列車名は「にちりん94号」でした。文字数が長いので「おんせん県おおいたにちりん94号」とフルで入らないのは予想していましたが、臨時の「にちりん」とまったく同じだとは思いませんでした。乗る前から肩透かし食らったような感でした。
(大分駅)
車両はJR九州大分車両センターの787系でした。4両のこの編成は通常大分以南で運用されていて、臨時「にちりん」としては小倉まで乗り入れます。なので、臨時の「にちりん94号」と車両は同じです。
大分駅の案内表示や車内放送まで「にちりん94号」として案内されていました。時刻表には確かに記載されている「おんせん県おおいたにちりん94号」という列車はまったく痕跡がなく、実は幻だったんじゃないかと思ったほどです。
結局「おんせん県おおいたにちりん94号」は何のために運転された列車かさっぱり分かりませんでした。これだったら普通に「にちりん94号」で良かったように思います。この列車の2分前に定期の特急「ソニック44号」が大分駅を発車しており、乗っている分にはガラガラで快適でしたが。