仙石東北ライン
昨年5月に東日本大震災の影響で不通となっていた仙石線・高城町~陸前小野間が復旧し、仙石線は全線で運転を再開しました。JR東日本の津波被災路線のうち、全線再開したのは八戸線に次いでのものです。合わせて、仙石線と東北線の線路を短絡線で繋ぎ、「仙石東北ライン」の運行も開始しました。
仙石東北ラインは仙台~石巻間を最速52分で結びます。仙台~塩釜間は東北線を走行し、塩釜~松島間に敷設された短絡線を経由して仙石線・高城町駅に入り、そこからは仙石線を走行します。
意外と知られていませんが、東北線・松島駅と仙石線・高城町駅は徒歩でも10分程度です。私も2~3回歩いたことがあります。短絡線は松島駅近くで仙石線と東北線が交わる辺りを通ります。
その仙石線~東北線の短絡線経由の乗車券です。経由が「東北接」となっています。規則上は高城町~松島間に線路を敷いて、0.3Kmの営業キロを設定しました。それを適用して140円となっています。しかし、実際には高城町~松島間を直接行き来できないため、高城町~塩釜~松島と乗り継ぐ必要はあります。そんなことするぐらいなら歩いた方が速いんですが。
仙石東北ラインは東北線内は快速タイプと各駅タイプがあり、仙石線はすべて快速運転となります。その代わりに復旧前にあおば通~高城町間を結んでいた仙石線快速がなくなり、同区間はすべて各駅停車になっています。多賀城・本塩釜・松島海岸といった快速停車駅は仙台までの平均所要時間がむしろ延びています。
仙石東北ラインの車両は新型ハイブリッド気動車のHB-E210系が投入されました。仙石線も東北線も電化されているのになぜ気動車?と思う方もいると思います。
これは仙石線は宮城電鉄という私鉄がルーツで戦前から直流電化されていたのに対し、東北線は戦後国鉄によって交流電化されたため、送電方式が異なりました。短絡線まで電化して交直両用車を投入するよりは、短絡線は非電化とし車両はどこでも走れる気動車にしたんだと思われます。
私はまだ2回しか乗れていませんが、仙台・石巻の往来はほぼ仙石東北ラインにシフトしたような感はありました。仙台との行き来が便利になればそれだけ復興も加速していくことでしょう。それだけに時間帯によって2両編成の列車があるのはちょっといただけないなと感じました。
写真は仙台駅で撮影した1日1往復だけ設定されている特別快速列車です。