続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

人手不足の影響?

 先月「青春18きっぷ」の残りを消化しに湘南新宿ラインのグリーン車で宇都宮へ行った時のことです。予めグリーン券は横浜から買っていましたが、予定変更して渋谷から乗車し、乗車変更せずにそのまま使いました。

行きのグリーン券

 眠かったのでグリーンアテンダントの車内改札が来たら寝るか…と思って待っていました。湘南新宿ラインの場合は新宿で必ずグリーンアテンダントが交代するので、北行きの場合だいたい大宮の手前までに交代したグリーンアテンダントが回ってきます。

 しかし、大宮を出ても久喜を出ても小山を出ても回ってきませんでした。乗客が多くも少なくもなく、回ってくるのに時間がかかるようにも思えませんでした。結局、宇都宮に到着するまで回ってこなかったので、このようにきっぷに使用した痕跡がない状態になっています。

 東海道線や高崎線・宇都宮線の列車ではグリーンアテンダントが途中駅で降りてしまって、末端区間は乗務していないことがありますが、今回の場合は一度も見かけなかったのでそういうわけではないようでした。グリーンアテンダントが乗務していなかったのか、手抜きして回ってこなかったかどちらかだと思いました。

帰りのグリーン券

 で、帰りもグリーン車を利用したんですが帰りも同様でした。乗車区間は小山~渋谷でしたが、結局一度もグリーンアテンダントを目にすることなく、頭上に赤ランプが灯ったまま渋谷に到着しました。こんなことは初めてでなんかおかしいぞ??と思いました。

 グリーンアテンダントは2004(平成16)年10月の湘南新宿ラインの運転開始に伴って、湘南新宿ライン・高崎線・宇都宮線でグリーン車で乗務が始まりました。2006(平成18)年に東海道線や総武・横須賀線に、2007(平成19)年からは常磐線に拡大されました。首都圏のこれらの区間のすべての普通列車に一人ずつグリーンアテンダントを乗務させるとなると、かなりの要員を確保する必要があります。

 グリーンアテンダントの乗務を開始した2004年当時は就職氷河期の影響が残っていて、大学を卒業しても就職できなかった人が多くいました。若年層を中心に給料が安くて済む人材を大量に確保しやすかったからこそ成立していたビジネスモデルが、昨今の少子化や他業種・職種との争奪戦で慢性的な人手不足に陥り成り立たなくなっているんじゃないかと思っています。

www.imadegawa075.net

 昨年3月のダイヤ改正で宇都宮線・宇都宮~黒磯間でグリーン車連結列車の運転を取りやめ、グリーンアテンダントの乗務もなくなりました。また、常磐線では日中に土浦以北まで運転するグリーン車連結列車の本数を大幅に削減し、グリーンアテンダントの必要数を減らしています。

グリーン車連結列車の減便を知らせるひたち野うしく駅の掲示 2023/2/23

 グリーンアテンダントの求人はJR東日本子会社の「JR東日本サービスクリエーション」という会社が正社員採用で行っています。以前は女性のみ短大卒以上(しかも契約社員)でしたが、直近では性別問わず高卒以上に間口を広げています。

 シフト制で早朝深夜勤務もありで、ダイヤ乱れが生じると勤務時間も突発的に延びます。時間帯や路線によっては面倒な客の相手もしなければなりません。それでいて年収はボーナス込みで350万円程度です。この人手不足のご時世でこの仕事内容と待遇で大量に人をかき集めるのは厳しいです。

 かと言って待遇を上げてしまうとコスト増に直結します。当座をしのぐためにグリーンアテンダントの必要数を減らし、利用客の少ない区間(列車)はグリーン車にタダ乗りされることもある程度割り切って乗務しなくなっているのではないかというのが私の仮説です。

 でも、2024年度末には延び延びになっていた中央線へのグリーン車導入が予定されているので、今と同じ仕組みを続けるのであればまた多くのグリーンアテンダントが必要になります。今でも足りてなさげなのにどうするんでしょうね???その時には今までのやり方や概念を変えるような大きな方向転換があるのかもしれません。