顧客操作型の指定席自動券売機を業界的にMV端末と言ったりします。ハードウェア的にはおそらくほぼ同一ですが、JR各社で呼び名が異なります。日々機能向上されていますが、会社や同一社内でも支社によって機能や購入できるきっぷには制限があります。
ここではJR北海道と東日本のMV端末について取り上げます。
〇=現存 ■=現存せず
【更新履歴】
2020/4/21 年号を西暦化。JR東日本MV50型「話せる指定席券売機」を追加。
2020/5/11 JR東日本MV35型撤去を反映。
JR北海道
■MV30型(転写)
(札幌駅東口:2008年10月)
端末の愛称は特にないようです。電話予約やインターネット予約の受け取りにも対応していました。札幌・旭川・新千歳空港の三駅だけ設置されていましたが、2015年3月までに全てMV50型に置き換えられました。
■uシート専用MV30型(転写)
(札幌駅:2008年10月)
こちらも端末の愛称は特にないようです。ハードウェア的にはMV30型ですが、購入できるのが快速「エアポート」の指定席uシートと、「uシート回数券」を使用した指定席予約と「uシート回数券」そのものの購入の3つに絞り込まれていました。札幌・新千歳空港の2駅で設置されていましたが、2015年2月に全て撤去されました。
■現金専用MV30型(転写)
(新千歳空港駅:2014年6月)
こちらもMV30型ではあるんですが、快速「エアポート」の指定席uシート専用かつ今どき珍しい現金専用機でした。カード投入口や暗証番号用のボタンがありません。新千歳空港駅に1台だけ設置されていましたが、2015年2月に撤去されました。
〇MV50型(感熱)
(札幌駅:2015年8月)
MV30型に代わって設置されたのがMV50型です。QRコード読み取り部のあるタイプです。uシート専用や現金専用端末はなく、フル機能使えます。時刻検索機能も実装され、自駅関連以外のきっぷも発売できるようになっています。また、特筆すべきは札幌近郊の一部駅ではエドモンソンサイズの近距離乗車券が発売できるようになっています。
〇クレジットカード専用型MV50型(感熱)
(旭川駅:2016年11月)
JR東日本に続いて導入されたクレジットカード専用のMV50型です。利用できる機能は通常のMV50型と変わりありません。2016年11月より旭川駅(東口)に設置され、少しずつ設置場所が増えています。
〇MV50型「話せる券売機」(感熱)
(南千歳駅:2019年1月)
2019年に入り千歳・南千歳駅を皮切りに札幌圏で導入が進んでいます。利用者の補助としてオペレーターモードが利用できるもので、原理的にはJR西日本の「みどりの券売機プラス」やJR東海の「サポート付き券売機」と同じです。 業界的には「アシストマルス」と呼ばれています。
〇MV60型(感熱)
(釧路駅:2018年2月)
2016年12月の釧路駅を皮切りに、道東・道北の有人の特急停車駅に設置が広がっています。JR北海道では省スペース型の端末の導入は初めてです。
JR東日本
■MV30型(転写)
(久里浜駅:2017年7月)
「指定席券売機」という愛称が付いています。窓口閉鎖駅の代替としても使われるので小まめに機能向上され、指定席以外にもトクトクきっぷや定期券・普通回数券なども購入できました。さらに誤購入による払戻機能まであったりして、愛称以上の機能がありました。2019年2月の池袋駅を最後に撤去されました。
■成田エクスプレス専用MV30型(転写)
(成田空港駅:2010年4月)
成田空港駅に設置してあった「成田エクスプレス」専用の「指定席券売機」です。実態はMV30型です。本当に「成田エクスプレス」新規購入の専用機で、パネルを見たとおり「えきねっと」の取扱はありません。現在では撤去されています。
■ER型Kaeruくん(感熱)
(藤野駅:2010年1月)
2005年3月の試験導入を経て翌年から本格導入しました。見かけは指定席券売機そっくりですが、JRグループ初の遠隔でオペレーターが操作する端末でした。ただ、利用者が一人でできるような簡単な操作もオペレーター呼び出しになり待たされたため、利用者には不評でした。発想は先進的でしたが、2012年3月末までに全て撤去されています。ちなみにJR東日本で初めて感熱印字の端末でした。
■MV35型(転写/感熱)
(上野駅:2009年10月)
2008年度後半から導入が始まりました。愛称はMV30型と同じ「指定席券売機」で、機能的にはMV30型と何も変わりませんが、操作時や検索時のレスポンスがMV30型より若干速いです。熱転写タイプは2019年3月の七戸十和田駅を最後に撤去され、感熱タイプも2020年2月に高崎支社管内を最後に撤去されています。
■クレジットカード専用MV35型(感熱)
(東京駅:2010年4月)
2010年4月から東京駅で導入されました。パネル部分に「クレジットカード専用」と赤く表示されています。クレジットカード専用機なので硬貨や紙幣投入部やつり銭の出口がありません。印字は感熱印字に変更されています。2020年1月の熊谷駅を最後に撤去されています。
■MEV型(転写)
(秋田駅:2009年10月)
主に新幹線・特急の主要停車駅に設置されていた「えきねっと受取機」と呼ばれるもので、「えきねっと予約」の受け取りにしか対応していません。それゆえ現金投入口がありません。2012年3月いっぱいで全ての駅で撤去され現存しません。
〇MV50型(感熱)
(西日暮里駅:2013年10月)
MV30型の後継として2013年10月より設置が始まりました。行灯がパネルから液晶表示になっていたり、硬貨投入口の色が濃くなっているのが特徴です。また、硬貨投入口の下にQRコード読み取り機があります。長い間使えませんでしたが、2018年10月よりQRコードを利用したトクトクきっぷの購入ができるようになりました。機能は既存のMV30・MV35型と大きく変わりませんが、レスポンスが速くなりGUIが大幅に変わっています。
〇MV50型スワローあかぎ優先機(感熱)
(上野駅:2014年4月)
特急「スワローあかぎ」の運転に伴って増設され、「スワローあかぎ料金券」を購入する利用客優先の指定席券売機です。パネル部分が強調されていますが、他の列車の指定や「えきねっと」の受け取りもでき、画面の項目の配置は多少異なるものの、機能は通常のMV50型と変わらないと思われます。
〇クレジットカード専用型MV50型(感熱)
(横浜駅:2015年1月)
MV50型のクレジットカード専用機です。硬貨や紙幣の投入口や釣り銭の出口がありません。大規模駅を中心に通常の現金併用機と併設するような形で設置されています。
〇MV50型「話せる指定席券売機」(感熱)
(双葉駅:2020年3月)
2020年3月に「Smart Station for EXPRESS」が導入された常磐線の5駅に設置されました。JR東日本では「Kaeruくん」以来の久々のオペレーター対応端末になります。ハードウェア的には他社で先行して導入されている「アシストマルス」と同じです。今後設置が広がっていくものと思われます。
〇MV60型(感熱)
(上野駅:2015年9月)
省スペース型・カード専用でMV40型の後継機種になります。2015年8月に上野駅に設置されましたが、半年ほどで一旦撤去されました。2017年7月に東京駅に再設置されました。
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