EX早特1
「EX早特1」は「EX予約」および「スマートEX」で発売される東海道新幹線の自由席が利用できる早特です。1とあるとおり前日までの購入が必要です。
だいたい早特と聞くと1ヶ月前から購入できるイメージですが「EX早特1」については乗車6日前から発売なので注意が必要です。乗車日によって発売数に限りがあるとのことなので、指定席の売れ行きや混雑予測を直前まで見極めて発売数を変えているのかな?と思っています。
「EX早特1」は今年12月末で東海道新幹線の自由席利用タイプの回数券「新幹線回数券(自)」が全廃されることに伴う代替商品です。「EX予約」および「スマートEX」において自由席タイプの早特の発売は初めてです。
「新幹線回数券(自)」は33区間の設定に対し「EX早特1」は44区間に増えています。「新幹線回数券(自)」は東京都区内や名古屋市内といった特定都区市内制度が適用されるのに対し「EX早特1」は適用されず単駅の設定になるため、東京発着と品川発着がそれぞれ別で設定されたため10区間増えています。
そして残る1区間は「EX早特1」で新たに設定された米原~新大阪間です。これは3月のダイヤ改正のタイミングで醒ヶ井~穂積間各駅から京都・新大阪への新幹線経由の往復割引きっぷである「シャトルきっぷ」が廃止されたことに伴う救済措置です。
さっそく2つに分けて価格を調べてみます。
定価 | 新幹線 回数券 (自) |
EX早特1 | EX早特1 割引率 |
|
---|---|---|---|---|
東京~新横浜 | 1,380円 | 1,310円 | 1,310円 | 5.1% |
品川~新横浜 | 1,290円 | 設定なし | 1,220円 | 5.4% |
東京~小田原 | 3,280円 | 2,800円 | 2,800円 | 14.6% |
品川~小田原 | 3,100円 | 設定なし | 2,620円 | 15.5% |
東京・品川~新横浜・小田原間は距離が近いため、東京発着・品川発着でも運賃差が発生し定価が異なります。それぞれについて同程度の割引率の「EX早特1」が設定されており、品川ユーザーにとっては利便性の向上と言えます。
ただし、距離が短い東京~小田原間の「新幹線回数券(自)」でも東京側の設定はこのように「東京(山手線内)」となっています。東京・品川周辺の山手線内各駅と小田原を「EX早特1」で行き来する際には「新幹線回数券(自)」と比べて割高になる場合があるのを留意しておく必要があります。
定価 | 新幹線 回数券 (自) |
EX早特1 | EX早特1 割引率 |
|
---|---|---|---|---|
東京~静岡 | 5,940円 | 5,490円 | 5,490円 | 7.6% |
新横浜~静岡 | 5,170円 | 4,730円 | 4,730円 | 8.5% |
東京~浜松 | 7,910円 | 7,250円 | 7,250円 | 8.3% |
東京~豊橋 | 8,570円 | 7,900円 | 7,900円 | 7.8% |
静岡~浜松 | 2,330円 | 2,090円 | 2,090円 | 10.3% |
静岡~名古屋 | 5,940円 | 5,490円 | 5,490円 | 7.6% |
静岡~新大阪 | 10,560円 | 9,670円 | 9,670円 | 8.4% |
浜松~名古屋 | 4,510円 | 4,180円 | 4,180円 | 7.3% |
浜松~新大阪 | 8,570円 | 7,900円 | 7,900円 | 7.8% |
米原~京都 | 2,160円 | 1,720円 | 1,720円 | 20.3% |
米原~新大阪 | 4,510円 | 設定なし | 2,520円 | 44.1% |
京都~新大阪 | 1,450円 | 1,360円 | 1,360円 | 6.2% |
米原~新大阪間以外は「新幹線回数券(自)」と「EX早特1」は同額です。JR東海がドル箱の東海道新幹線を割り引かないのは有名な話で、全体的に割引率も1桁台後半とかなりしょっぱいです。その中で「シャトルきっぷ」代替の役割を担う米原~京都・新大阪間(網掛け部分)の割引率の高さが特筆されます。
先日私が「EX予約」で利用した「EX早特1」です。ICカードでチケットレスで利用できますが、チケットレスしないのはいつものことです。乗車券も特急券も当日限り有効であるため、券面に有効日数の記載がなく妙にすっきりとしているのが特徴です。
新横浜~静岡間の「新幹線回数券(自)」であれば横浜市内発となるので私の自宅最寄り駅の長津田から新横浜までの運賃は発生しませんが、「EX早特1」は新横浜単駅発となるので別途(230円)必要になります。このへんも計算に入れて利用するかどうか判断しないといけないので、確実にひと手間増えています。
JR北海道は先月のダイヤ改正のタイミングで特急列車を全車指定席化し、同区間の往復割引きっぷを全部ぶった切って「えきねっと」の「トクだ値」に移行しています。JR北海道の拙速かつ荒っぽいやり方と比べると、JR東海は「新幹線回数券(自)」の廃止までに半年以上の並行期間を設けて「EX早特1」に移行するのとは対照的です。
個人的には割引きっぷを何でもかんでもネット予約に移行してしまうのは必ずしもよしとしませんが、ネット予約に移行するにしても利用客への影響を考えたやり方があると思います。JR東海にしては穏便に事を進めたなと感じます。