旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス
「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」(以下「キュンパス」)はバレンタインデー(2月14日)からホワイトデー(3月14日)の間の平日に発売されていたフリーきっぷです。早割と付くだけあって利用の14日前までに購入する必要がありました。
JR東日本全線(BRTを含む)と青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道・三陸鉄道・北越急行の全線とえちごトキめき鉄道・直江津~新井間の新幹線・特急列車の自由席が利用できて1日10,000円ちょうどでした。追加料金なしで指定席が2回利用できました。
「キュンパス」は平日利用ですが、フリーエリアや指定席の利用回数、1日限り有効というきっぷの効力は東日本大震災の復興支援として2011年6~7月に発売された「JR東日本パス」が一番近いなと感じました。
2月の建国記念日の3連休が終わってから春休みに入るまでは閑散期で、「キュンパス」はその閑散期の間の平日の需要喚起としてこのきっぷを発売したと考えられます。
利用者向けに駅レンタカーやNewDaysの割引の他にJR東日本管内の駅ナカ施設でのクーポン券の配布やプレゼントもあり、パスを利用したくなるような特典が盛だくさんでした。仙台駅では駅ナカの牛たん通り・すし通りで使える500円のクーポンを毎日先着100名に配っていたようです。グループを挙げて力を入れて販売していたことが感じられました。
平日しか休めない人にとってこのきっぷは日帰り旅行にも宿泊旅行にも使えるので願ったり叶ったりでしょうし、私のように土日休みの人はこのきっぷを利用して土日前後の平日と繋げて行程を延ばしたり、宿泊施設が高くなり混雑する土日を避けることもできます。いずれにしろ平日のみの設定にしたのはうまいこと考えたなと思います。
期間中に出張があったので利用してきました。夕方早めに仕事を終えて東京を出て、夕飯に盛岡でじゃじゃ麵を食べて、その晩は福島経由で山形に移動し前泊しました。遅い時間だったので指定は満席になるほど混んではいませんでしたが、2月の平日にしてはちょっと多いなという印象でした。
その後、金曜夜に東京から来る嫁と青森で合流する際も「キュンパス」を利用しました。東京~新青森間は17,670円(通常期)するので、片道しか使わないでも「キュンパス」の方が中途半端な「トクだ値」よりもだいぶ安かったりします。
もっとも、指定を取るのに出遅れたため、東京~新青森間は満席になっていて通しでは取れませんでした。そのため、東京から盛岡までは「こまち43号」で盛岡停車中に「はやぶさ43号」に移動せざるを得ませんでした。席に座れたのはまだマシな方でデッキに立っていた人もいたそうです。
twitterのTLでは東京発朝一番の「やまびこ51号」の自由席に積み残しが発生していたり、新青森駅の在来線ホームには新幹線から乗り継いできた人が溢れている様子なんかが流れてきていて、「キュンパス」を利用して旅行した客が結構いたんだなというのが伺い知れました。
「キュンパス」の発売は終わりましたが、JR東日本のHPには「旅せよ平日」のコンテンツが残っていて、引き続き平日の旅行を推奨していくようです。
また閑散期に同様のパスが発売されるような気がします。「キュンパス」は利用の14日前までに購入しないといけなかったため、未使用券が高値で多数ヤフオクに出回っていました。そういう流通の仕方はJR東日本としても本意ではないでしょうから、売り方はもう少し工夫の余地があるように感じました。