只見線満喫号
◆種別:快速
◆区間:会津若松~只見
長らく会津川口~只見間が不通だった只見線が一昨年10月に11年ぶりに全線で運転を再開し、1年ちょっとが経ちました。JR東日本は同区間のバス転換を提案していましたが、福島県が観光振興に必要と判断し、公費投入の上で上下分離を導入し鉄道での復旧に漕ぎつけました。
しかし、被災以前と比べて列車の本数が増えたわけではありませんでした。会津若松発で見ると小出行と会津川口行が3本ずつで会津坂下行が1本の7本です。朝7:41発の会津川口行の次の列車が13:05発の小出行で5時間以上間隔が開きます。福島県が観光振興に必要と判断して路線を残しても、これでは観光に使えません。
そこで列車の運転間隔を埋めるべく、行楽シーズンで観光客の利用が見込まれる時期に臨時列車が設定されました。それがこの快速「只見線満喫」号です。合わせて只見線内の回遊性を高めるために只見~小出間の臨時列車も運転されました。
停車駅 | 425D | 只見線 満喫号 |
9465D | 427D |
---|---|---|---|---|
会津若松 | 07:41発 | 09:47発 | ― | 13:05発 |
西若松 | 07:49発 | 09:56発 | ― | 13:11発 |
会津坂下 | 08:25発 | 10:29発 | ― | 13:47発 |
会津宮下 | 09:15発 | 11:13発 | ― | 14:30発 |
会津川口 | 09:43着 | 11:49発 | ― | 15:29発 |
只見 | ― | 12:17着 | 13:27発 | 16:31発 |
小出 | ― | ― | 14:40着 | 17:47着 |
昨年夏の下り列車のダイヤはこんな感じでした。定期列車の425Dと427Dの間に「只見線満喫号」と接続の9465Dが運転されました。
停車駅 | 426D | 428D | 9468D | 只見線 満喫号 |
430D |
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小出 | 05:36発 | ― | 11:26発 | ― | 13:12発 |
只見 | 07:11発 | ― | 12:41着 | 13:35発 | 14:35発 |
会津川口 | 08:41発 | 12:29発 | ― | 14:21発 | 15:35発 |
会津宮下 | 09:15発 | 12:57発 | ― | 14:48発 | 16:03発 |
会津坂下 | 09:57発 | 13:41発 | ― | 15:24発 | 16:45発 |
西若松 | 10:26発 | 14:09発 | ― | 15:47発 | 17:17発 |
会津若松 | 10:41着 | 14:15着 | ― | 15:53着 | 17:24着 |
同様に上り列車のダイヤはこんな感じでした。定期列車の426Dと430Dの間に接続の9468Dと「只見線満喫号」が運転されました。それにしても定期列車は小出05:36発の次が8時間後の13:12発ってすごいダイヤですね…。
「只見線満喫号」の車両はキハ110系の3両編成でした。キハ110系と言っても会津若松にいる車両では足りなかったようで、この列車のためにはるばる小牛田運輸区の車両を動員して使っていました。
3両のうち2両が指定席で1両が自由席でした。キハ110系はリクライニングシートが装備された車両ではなく、ボックス+ロングシートの普通の車両でした。自由席との設備の違いがなく指定席である旨の表示が少ない上にわかりにくかったため、誤って指定席に乗ってしまう人も散見されました。
ボックスシート、ロングシートともに指定席として発売されました。「只見線満喫号BOXシート」「只見線満喫号ロングシート」という具合にそれぞれ別列車扱いで発売されているので、意図せずロングシートを買ってしまうということはありません。ちなみに以前乗った快速「只見線夏休み満喫号」はクロスとロングという分け方でした。
ちょうど秋の紅葉シーズン前半と重なったので、会津若松発の往路の指定席は満席でした。只見発の復路も半分以上は乗っていました。バスツアーの団体客が1~2両しかないローカル列車に突撃し大混雑を発生させていることがよくありますが、この列車のように指定席があれば団体客は混み混みの車両に詰め込まれて立たされることはないですし、JR側も増収になっていいことづくめのように感じました。
往路の「只見線満喫号」の団体客が一斉に只見駅に降り立ったため、今まで見たことのないような混雑になりました。そして駅前に待たせていた観光バスでどこかに移動していきました。片道でもこうしてバスツアーの団体客に利用してもらえることは只見線にとっていいことです。
私自身、この列車で再開後初めて会津川口~只見間を利用しました。ひとまず再開はおめでたいですが、再開特需が一巡するであろうこれからが正念場だろうなと感じます。観光客を呼び込むためにこういった列車は今後も必要だと思います。