DLやまぐち号
◆種別:快速
◆区間:地福→新山口
一昨年7月の大雨災害により山口線で橋梁の流出や土砂の線路内への流入など大きな被害を受けました。地福~津和野間が1年以上不通となり、バス代行となっていました。
新山口~津和野間で運転されている「SLやまぐち」は不通区間にかかるので、JR西日本としてはあまり運行に乗り気ではなかったようですが、地元の強い要望により新山口~地福間で運転されることが発表されました。地福~津和野間は「津和野散策バス」という無料の接続バスが運行されました。
SLは津和野駅到着後に同駅構内の転車台で方向転換していましたが、津和野駅までは不通なので、往路はSL牽引で復路はDL牽引で運転されました。復路については列車名を快速「DLやまぐち」としました。
SLやまぐち(往路)
客車 | 客車 | 客車 | 客車 | 客車 | SL |
DLやまぐち(復路)
DL | SL | 客車 | 客車 | 客車 | 客車 | 客車 |
(←新山口) (地福→)
編成を文字で表現するとこんな感じになります。JR東日本のSL列車でよく見られるプッシュプル方式ではなく、往路の「SL」到着後にSLを新山口方に付け替え、その後JR西日本下関総合運転所所属のDD51-1043(DL)を単機回送して連結し編成を完成させていました。SLはDLの次位に逆向きのまま連結されました。
地福駅は1面2線の列車交換ができる駅で、津和野方面は行き止まりになっていました。「SL」で到着した編成はホームに据え付けられたままでした。「DL」の発車の1時間ぐらい前に新山口方向から単機のヘッドマーク付きのDD51が単機で回送され編成に連結されました。DLに「やまぐち」のヘッドマークが付くのは大変珍しいことなんだそうです。
完成した編成です。正直最初はどうかと思っていましたが、完成した編成を見て「案外これも悪くないな…」と思いました。DD51に「やまぐち」のヘッドマークが案外合っているようでした。
その時の指定券です。列車名は「DLやまぐち」になっていて、e5489にもちゃんと対応していました。
実際に乗ってみた感じでは1ボックスに1人程度でガラガラに近い状態でした。個人的にはDL牽引でも悪くはない印象はありましたが、目玉であるSL牽引ではない上に、やっぱり津和野まで直通運転できないのは集客に大きく影響したようでした。
しかも、DL次位に連結されていたSL(C57-1)で運転中に不調が発生したようで、山口駅発車後何度も車両点検をして途中駅で停車していました。C57-1の故障は深刻だったようで、次週から4週にわたりSLが使用できず、往復ともDL牽引で全車自由席の快速「やまぐち」として運転されました。
8月23日の山口線全線再開後は晴れて新山口~津和野間の往復とも快速「SLやまぐち」として運転されています。津和野は小京都としてそれなりに集客力のある観光地ですから、SLが運行できない期間中の代替手段として、DLでの運転もまた見てみたいような感じもします。