Jヴィレッジ駅は今年4月20日に開業しました。常磐線・広野~木戸間に設置された臨時駅で、イベント開催に合わせて列車が停車します。国内で平成最後に開業した駅でもあります。
アルファベットの入る駅はJR西日本の「JR〇〇」シリーズが既にありますが、JR東日本では初めてです。また、正式駅名で「ヴ」が入るのも私が知る限り初めてだと思います。
Jヴィレッジはサッカーのナショナルトレーニングセンター(NTC)でしたが、平成23年の福島第一原発事故の際には一時的に国に移管され、原発の復旧作業の前線基地として使われました。ピッチの上に作業用の資材や作業員の宿舎と見られるプレハブが建ち並ぶ光景を見た当初は、もうNTCとしては使えなくなるんじゃないかと感じました。
平成25年7月に日本サッカー協会に返還され、NTCとして復興させることになりました。一方、地元の福島県と双葉地方町村会はJR東日本の対してJヴィレッジの近くに新駅を設置する要望を出し、JR東日本もそれを受けて新駅の開設を決めました。そして、4月20日のJヴィレッジの全面営業再開と新駅開業を迎えました。
Jヴィレッジ駅のホームは谷間に造られたため、谷底深いところにあり、駅舎との高低差は20mありますが、 そこは多くの人が訪れるという想定がしてあって階段は広めで、エレベーターも完備しています。ホームは特急列車が停車できるよう10両分の長さが確保されています。
駅舎らしきものはなく、小さな待合室と屋根があるだけでした。また、無人駅なので券売機はなく乗車駅証明書発行機があるのみです。開業初日と言うこともあり、いわき駅から係員が出張し、前出しのマルス券でいわき駅までの乗車券のみ発売していました。
乗車券は「ときわ路パス」からはみ出す部分を購入しました。JRの乗車券は普通は乗車の1ヶ月前から購入できますが、Jヴィレッジ駅発着の乗車券については開業当日まで発売制限がかかっていました。「えきねっと」では選択候補にすら出てきませんでした。
なお、Jヴィレッジ駅には無効印がなく、いわき駅のもので代用していました。この乗車券だといわき駅で前途放棄したみたいに見えてしまいますが…。
往復とも同じ乗車券では面白くないので、復路は英語表記で出し分けてみました。英語表記は「J-VILLAGE」で駅名板と同じようにハイフンが入ります。
地元関係者からはJヴィレッジの再開と駅の開設を復興の起爆剤にしたいなんて声が聞かれました。JヴィレッジはNTC以外にも宿泊施設や結婚式場もあるそうなので、やりようによってはイベント開催時以外の集客も可能だと思います。車で来る人がほとんどでしょうが、せっかく駅を造ったんですから、イベント開催時以外も列車の利用ができる常設化を目指した方がいいように思いました。