今年4月に入ってJR四国の一部の駅の券売機が撤去されました。私が知る限りでは以下の17駅です。徳島新聞の記事によると、管理駅から遠く、1日の乗降人数が100人以下が対象になったようです。
撤去対象駅 | |
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香川 | なし |
愛媛 | 伊予土居、大西、菊間、伊予長浜、伊予吉田 |
徳島 | 桑野、新野、由岐、日和佐、貞光、阿波加茂 |
高知 | 豊永、西佐川、斗賀野、多ノ郷、土佐久礼、江川崎 |
赤字の駅は特急停車駅で、下線を引いた駅は業務委託もしくは簡易委託駅です。ちょうど5月の改元に向けて券売機の設定を変える必要があったので、それを機に利用状況を勘案して設置箇所を整理したと思われます。
私はもともと近距離券売機のきっぷは集めてなかったんですが、最近では旅先の小さな駅に券売機があると、小児の初乗りぐらいは買っておこうかなと思う程度には興味があります。上記の対象駅のきっぷがないか見てみたところ、少しだけありました。
土讃線・土佐久礼駅の券売機はこのようなボタン式の簡易券売機です。土佐久礼駅には特急列車が停車するので、100Km以内の乗車券のほかに特急券も売っています。土佐久礼駅で特徴的だったのは土佐くろしお鉄道連絡の中村・宿毛までの口座があったことです。
土佐久礼駅で浪費した結果です。最安の特急券と土佐くろしお鉄道連絡の中村駅までのきっぷを買ってみました。特急券には英語表記がありますが、連絡券にはありません。また、〇ムの有無や〇小の位置の違いが面白いです。
また、予讃線・伊予吉田駅は券売機が撤去された中で唯一の最新型のタッチパネル式でした。乗車券や特急券ばかりでなく、岡山乗換の新幹線自由席特急券(東京~博多間)やそれに付随する乗車券、「Sきっぷ」や「6枚回数券」といった割引きっぷの購入までできる高機能なものでした。
特急券にも〇ムの印字が入るのが面白いです。無人ながらも1日16往復もの特急列車が停車する駅なので、まさか券売機が撤去される事態になるとは思わず、この一枚しか買わなかったのが悔やまれます。
今回の券売機撤去と合わせて、10月に一部ワーププラザの閉店と業務委託駅の営業時間短縮を実施することも発表されています。JR四国は平成22年秋に50駅近くの業務委託駅を無人化しており、それ以来の規模の営業体制見直しとなります。
JR四国の場合、こういった営業体制の見直しは仕方がないのかなと感じます。JRグループで唯一営業エリアに人口100万人以上の大都市がなく、黒字の路線が瀬戸大橋線しかありません。四国内の人口減少とともに、高速道路網も比較的早い段階に四国全域に広がり、特急列車は高速バスと熾烈な競争を強いられ、厳しい経営状態が続いています。
既に地元と将来の鉄路維持について話し合いを始めていて、相当な危機感を持っているのが感じられます。今回の措置はその危機感の一端の現れだと思っています。