お座敷青梅奥多摩
◆種別:快速
◆区間:新宿~奥多摩
快速「お座敷青梅奥多摩」号は春から秋の行楽シーズンの週末に奥多摩まで運転される臨時列車です。2018年から設定があり川崎や三鷹発着で運転されていました。今年は5月4日~8日と8月の運転が新宿発着、5月14・15日の運転は武蔵野線・吉川美南発着で運転されました。
車両は大宮車両センター所属のお座敷電車「華」でした。JR東日本にはお座敷列車がいろいろ走っていましたが、2020年に「宴」が廃車になってからは「華」が唯一のお座敷列車となっていました。なので、乗れるうちに乗っておこうとは思っていました。
同じころ、甥1もYouTubeで情報収集したのか、お座敷列車の終焉が近そうなことを察知して乗りたいと言っていました。私が乗りに行こうとしていたところに誘ったらあっさり乗ってきました。
それでも単純に奥多摩に列車で往復するだけでは面白くないので、往路は青梅の青梅鉄道公園に立ち寄り、その後奥多摩でカーシェアを借りて御岳ケーブルに乗って、奥多摩湖付近をドライブすることにしました。
指定は1ヶ月前の発売日でなくても2席並びで取れました。夏休み中の日曜日のお座敷列車としては意外でした。
当日には満席になっていたようですが、見た感じ往復とも客のほとんどは鉄ヲタでした。都心方面から純粋に御岳や奥多摩に行きたい登山客やハイキング客は全車自由席の「ホリデー快速おくたま」を利用している人が多かったです。
甥1はお座敷列車に乗っても鉄ヲタらしく車内をうろうろ徘徊することもなく、トイレ以外はほぼ大人しく座っています。かと言って景色を見ているわけでもなく、だいたいスマホをいじるか寝ています。
それだったら乗って何の意味があるのかと思うこともありますが、彼の中では乗った記憶はちゃんと残っているようなので、とやかく言わないことにしています。
10月24日の毎日新聞を始め各新聞社に配信された記事で、JR東日本が485系を種車とした車両の運用を今年中に終えるというニュースがありました。以下は秋田魁新報の記事からの引用です。
旧国鉄485系、年内で引退 花形特急電車、JR東の観光運用で幕
旧国鉄時代の花形特急用電車だった485系を唯一運行するJR東日本が、年内に全ての車両の運用を終えることが24日、明らかになった。485系を改造したお座敷列車「華」が今月30日で、観光列車「リゾートやまどり」が12月で、それぞれ営業運転を終える。老朽化が進んだため、いずれも廃車にする。
485系を中心とするシリーズは、最初の東京五輪が開かれた1964年に登場。交流と直流の両方の電化区間を運転でき、主に本州と九州で特急列車として幅広く活躍した。鉄道開業150年を迎えた今年で幕を閉じることになり、中高年層や鉄道愛好家らの惜しむ声が広がりそうだ。
JR東日本における485系の定期運用は2017年3月にいわゆる「糸魚川快速」の廃止のタイミングで終了しており、検査周期を勘案するとそれからせいぜい5~6年以内に485系を種車としたジョイフルトレインは全廃されるだろうと思っていました。
それ以降「いろどり(彩)」「NO.DO.KA」「ゆう」「宴」「ジパング」と順当に(?)廃車が進み、残すは「華」と「リゾートやまどり」の2つだけになっていました。「華」だって改造前の種車の製造年は1973(昭和48)年でほぼ50年選手なので、終焉が近いというのは容易に察しがつきます。
なので、廃車自体に驚きはありませんでしたが、「華」の引退は明後日30日とのことで報道からわずか1週間です。それについてはずいぶん唐突な印象は受けます。葬式騒ぎになる前にさっさと引退させてしまおうという意図はあると思います。
お座敷列車はお座敷にカラオケや冷蔵庫なんかもあって、グループ客や団体客でも楽しめる列車ではありますが、近年そういう需要が減っている中でそれ専用の車両を残す必要性がなくなっていたのでしょう。なくなるのは残念ではありますが、仕方ないかなと感じます。結局この列車が私にとって最後のお座敷列車になりました。